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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2010.02.05 Fri
宮崎駿
ウォルトディズニースタジオホームエンターテイメント
発売日:2009-07-03

公開当時から興味が湧かなかった。
が、自分と好みが似ていると思われる人が幾人か、感動して泣いたとレビューを あげていたので
機会があったら見てみようと思っていた。

実際見てみて、やはりと思った。予測通り。

評価は二分されているように感じられるが
否定派は躍起になって否定しているし
肯定派は「素直に見ないから理解できないのだ」という信者然とした反論ぶりで
どちらに対しても微妙な気持ちになる。

斯く言う自分は否定派。
作家は大体において、どの作品でも言いたいことの根本は同じことが多い。
駿氏の場合、その伝えたいことというのは、私の目から見ればもののけ姫までで全て伝えきったと思っている。
神話や昔話にヒントを得、駿氏なりのアレンジが加えられ
描きこまれた絵と壮大な世界観で素晴らしいものになり
冒険活劇としても子供用アニメとしても完成されていた。

もののけ姫はやや子供用アニメからはずれていたものの
映画版ナウシカで伝えきれなかった
漫画版ナウシカの部分を載せきった、と解釈した。
「何が言いたいのかわからない」という評価もあったが
己で考えろ、というはっきり答えを出して押し付けないラストが、かえって評価出来た。

その次の千と千尋の神隠しは、個人的には全く期待しておらず、期待外れに面白かった。
駿氏の伝えたい部分のメタファーと、表面上のメタファーに気付かない場合読み取れるストーリーとの
バランスがよく取れていた。

が、その後のハウル(これは原作者が喜んでいるのでまだ良いが)とゲド(駿氏の作品ではないが)は
酷い原作レイプ。
原作とはかけ離れ、自分の言いたいことを伝える為に
設定や名前だけを利用し、内容を捻じ曲げてしまった。

今回のポニョに至っては、原作人魚姫と言いきっていないだけ良いが
千ちひのときに取れていたバランスが全く取れていない。
子供たちに見てほしかったのに、子供たちの反応が悪かった、とぼやいていたらしいが当然だろうと思う。
表面だけ見れば全くわけがわからない、支離滅裂な映画。
死や輪廻等々のメタファーである、と読み解くこと自体はそれなりに面白いが
飽く迄子供に見て欲しいというならメタファーなしで理解できる映画になってなかったら駄目。
ジブリという看板があるからこそ出来るし、「理解できた、面白かった」といってくれるファンがいるだけの話で
初手から無名の監督がこんな映画を作ったら総スカンを食らうだろう。
商業的に成り立っていない、監督の自慰行為映画。

コナンやパズーに代表されるようなジブリらしいあり得ない行為
(空中を歩く、驚くほどの馬鹿力、など)
が、ラピュタなどでは吹き出しつつも見入ってしまえる。
それこそがジブリ作品のキャラの魅力でもある。
が、ポニョには異常な行為を異常でないと思わせるだけの説得力が作品に欠けている。

たとえば、ジャムの瓶に金魚がはまっていて、出そうとして
金魚の尾ひれを無理矢理ひっぱり、
最終的に石をぶつけて割ってしまう。
生まれ変わりのメタファーだという理解が無ければ
尾ひれは千切れるし金魚は潰れるのが現実。
おいおい、と突っ込みつつも見られるほどの、勢いも魅力も私には感じられなかった。
可愛いより、気持ち悪いし怖い。

メタファーを一切取り除いてしまえば
ポニョの壮大なストーカー行為で村全滅
という救いようのない話で
自分にはとてもポニョが可愛いとは思えないし
子供用アニメで子供が両親を呼び捨てにするのも到底良いこととは思えない。

暗喩と表面に見えるストーリーとの二重構造
と言われているらしいが
とても二重構造として成り立っていない。

ニコニコ動画でこのようなものを見つけた。
メモ代わりに貼っておく。



この頃の駿氏の作品は綺麗でわかりやすく面白かった。
コメントで、駿氏は千尋くらいでこの頃に作った貯金を使い切ったのだろうな、というのがあったが全く同感。

でかくなり過ぎると作り手本人がイッてしまう傾向はジブリだけではないが
引き際が肝心だぞ、と思う。
または、ジブリの看板を捨ててひとりで好き勝手やるか。

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