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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2009.04.28 Tue


先日、ブロガー限定試写会(ブログで宣伝してくれるなら
映画をただで見せてあげるよ、という企画)
で当選したので、ちと辺鄙な郊外の大型シネマへ
『重力ピエロ』を見に行ってきました。

伊坂先生は、『アヒルと鴨のコインロッカー』を
紹介されて読んでからファンでして
『重力ピエロ』はいろんなところがグサグサ突き刺さり
本を買って何度も読み返しています。

そんな本の映画化。
楽しみでもあり、不安でもありました。
特に、春という男の子のキャスティング。

この役は非常に重要な役で、
同性の兄の目から見ても
恰好良くて、たとえるなら野生の豹のようなしなやかさ
美しさ、けして軟弱じゃなく
笑顔がとても優しくて見ていて幸せになれる
と書かれているほどに、
とにかく”恰好良い”ことが求められる役。

監督もやはり悩まれたそうで、見つけられず
一年ほどの時間を要したそうです。
その末キャスティングされた岡田将生さん。

全然私はこの人を知らなくて、今までもそういう
イケメン云々系のドラマなどに出ていたようですが
この春役は当たりなんじゃないでしょうか。
少なくとも私はファンになりました。

というのも、春は絵がうまく、ピカソの生まれ変わり
と父が言うほど、という設定で
ガンジーと徳川綱吉(後者は映画では出てきませんでしたが)
を敬愛している、ちょっとストイックでアーティストな役柄。

元々原作本を読んでいて好きだったという岡田さんが
そんな春の役作りでこだわったひとつが、左利き。

映画を見ている中で、春が左利きだったのを見て
おっと私は思ったんです。
ぽいな、良いな、と。
で、岡田さんが単に左利きなのか役作りなのかと調べたら
左利きの練習をして、
左利きの設定を自ら監督に持ちかけ採用されたのだとか。

春のイメージを損なうことなく、演じてくれたと思います。

全体的に、岡田くんのほかにも
兄の泉水役の加瀬くんなど実力派が勢揃いで
昨今の安直な本の映画化とは違う、と公式サイトに
はっきりと書いてありますが
本当にその通りだと思います。
監督が、
自分は小説家ではなく映画監督なのだから
映像で見せるということにこだわった、とおっしゃっていますが
簡単なようで、それが実は難しい。

ただ漫画をアニメに、アニメを映画に
特性を生かすのではなく趣味や”大人の事情”に走るのが多い昨今。

原作との変更点は結構ありましたが
映像として綺麗に見せることにこだわったからこそで
映像だからこそ見せられること
映画なりのオリジナリティ
をきちんと出した、原作へのリスペクトと愛のある
素敵な映画だったなと思います。


見終わった後もぼんやりして
そこに春や泉水が立っているような気がして
全てが些細でドラマチックに見えて
一駅分電車代の節約も兼ねてのんびりと歩きました。
騒がしい電車に乗ったら、感動が零れてしまう気がして。


”アーティスト”のプライドが垣間見える作品に
久し振りに出逢いました。

映画は綺麗だし
原作はきちんとミステリーで、感動と笑いもあり
どちらもとてもお勧めです。
 

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