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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2009.07.17 Fri

昨日は仕事が平和で、用事も目処がついたので
ネットで当日券を予約して観に行ってきました。
キャラメルの風を継ぐ者。

初演・再演はテレビで観ていて
脚本が良いのはわかっている。
ただ、司馬先生の新選組よりで
史実からは離れている部分も多々ある訳で。
生で、しかも史実を勉強し始めてから初めて観る風なので
自分の受け取り方がどう変わるか、という点も
個人的には楽しみにしていた。

お芝居については
初演・再演に比べて
前の方が良かったなというところもあるが
今回の方が良いと思うところがあるというのが
なにげに凄いことだと思う。
脚本の不自然な点が改善されていたし
キャスティングがよりリアルだ。
年齢的にも、資質的にも、合っている人が多い。


長くなるので全般的な感想は差し控えるとして。
特筆したいのは、畑中智行さん。

虹で隊士役をやっていたのが
私が畑中さんを生で見た最初。
一目で、
この人はいつか沖田をやれるだろうし
やって欲しい と思いました。
菅野さんの沖田もはまり役だったけれど
私の思う史実上の沖田さんは
畑中さんの方が合っていると思うし。

ゲネの写真で、殺陣のシーンで
相手の腰より上に跳んでいる畑中さんを見た。
激しい連続した殺陣のシーン。
単純にそんなに高く跳ぶだけでも大変なのに。
けど多分、「跳ぼう」と思って跳んでいるのではないのだろうな、と思う。

この舞台を見て芝居を志し
この舞台で初舞台を踏み
別の芝居で一番隊隊士(沖田の部下)を経て
まわってきた役が沖田総司。

当然、気合も入るだろう。

欲を言えば、もっと頼人のような荒っぽさで
『二面性』を表現して欲しかったけれど
演出家の意向や、脈々と受け継がれてきた
『キャラメルの沖田総司像』があるので仕方ないのだろうな。

彼の沖田を観て感じたのは、等身大のリアル。
他の役者全てに言えることなのだが、今回はとてもリアルなのだ。
宇部さんが強そうだったり
小金井さんが強かそうだったり
美祢さんも武士の嫁という感じの強さだし

だからこそクライマックスで
さしもの沖田も怪我を負っていては
立ち回るのはここが限界で
迅助に逃げろというのも真に迫っているし
「土方さん」という呟きも
集中していて忘れていた傷の痛みで倒れこむのも
納得がいきやすい。

目線、間、手の動き、走り方
畑中さんの全てに真にせまる感情がつまっていた。
私は、今までは舞台の進行のままに
幕末から一気に明治に視点が切り替わっていたけれど
今回は、傷を抱えたまま屯所へ帰った後の沖田さんの心情に思い至った。
この再々演を見て初めて
「あぁ、本当に沖田さんはつぐみさんが好きだったんだ」
と感じた。

だからこそ、ラストの小金井さんも、彼なりに
孤独を抱えていたのだなと感じたし
「生きてて良かったな」
「だからこうして会えたんですもんね」
「おまえは十年間なにしてたんだ」
「走り続けてた」
に繋がる。

観に行って良かったなと思った。
ツアーは始まったばかりだし
多分一月後の大阪公演あたりは
かなり完成しているだろう。
そういうところも、芝居やライブなどの
『ナマモノ』の良さのひとつ。
余裕があれば大阪まで観に行ってみたいと
思わせるほどに伸びしろも感じた。

       ***

風、虹、再び風と
本当に畑中さんは、風を継いだのだな、と思った。
エリーがやめてしまったとき
「これからは俺がひっぱっていかなくちゃ」
と決意し公言したという彼だけど。

人はそういうところで決断することで
成長し、進んでいけるのだろうな。


風が吹き
凪いで雨が留まる。
やがて雨が止めば虹が出る。
そして、再び青空が広がるのだ。


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