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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2007.08.02 Thu
約束も契約も等しく互いを縛る。契約は他人の目からもわかりやすい形になって
いる。
約束は個人に根ざした生き方の問題だ。
相手への過剰な配慮は、時としてその人物を軽んじる。
主張せずにいる権利は、必ず誰かに侵害される。
金はただの道具ではなく、使う者の理想や志が表れる。
現実論は往々にして後ろ向きの意見を飾る時に叫ばれる。

こんな真っ当であったり素晴らしい意識を、自分が戦時下という異常事態の中
持ち続けていられるだろうか?
言うべき時に言うべき相手に、きちんとタイミングを間違わずに告げられるだろ
うか。
残念ながら疑問に思う。

物事にはいろんな角度がある。人の数だけ立場があって、見方がある。
一概に何が正しくて何が悪なのか、言い切ることはできない。
もし自分が彼らの立場だったら?
簡単に想像することすらできない。
今住んでいる東京、住んだことがあり親の故郷の大阪、そのふたつが戦争を始めたとしたら。
自分はどっちにつくだろう。
世間体を気にして東京につくけれど、かと言って知り合いのいる大阪と
正面きって戦いたくはないだろう。
自らそれでも志願して、最前線に立つことができるだろうか。
やはり残念ながら、自信が無い。

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2007.08.01 Wed
エッセイを書いていても、やっぱりこの人の文章はセンスがある。
ふっと笑えたり、深い意味があったりするし、改行の使い方も流石うまい。
物書きはへそ曲がり、というやや自虐的な書き方も面白かった。
役者が、悪役があたりすぎてしまい、良い人の役がなかなかこなかったり
やってみても不評なように、小説家にもやはりそういうことがあるのだな、と思った。
それにしても、登山家の本を読むだけでああも緻密な小説が書けるのは
本当にこの人はすごい。
さも見てきたかのように嘘をでっちあげる、なんて書いておられるけれど
本当に取材力と想像力と文章力が半端じゃなく素晴らしい人だと改めて思う。

そういった小説を書くときの姿勢にある程度垣間見えるものではあるが、こうして
エッセイという形で生の筆者の考え方を読めたのは非常に面白かった。
こういうことでそういった感じ方をするのか、などといろいろ思うことがあった。
些細なことで文化や国のあり方、人のあり方などに思いを馳せられる人だから
あのような素晴らしい小説が書けるのだろう。
彼のノートを見に、山登りをしたくなってしまった。

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2007.07.26 Thu

見開き2ページで、左側に説明文、右側に図解がのっており、
わかりやすい。
反面、完結過ぎて「これはどういうことだろう」と疑問に思うことも。
入門編としてはとても良かった。

それにしても神話やおとぎ話はどうしてこう自分勝手だったり
残酷だったりするのだろうか。
不思議だ。

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2007.07.22 Sun
読んでいて、知らないことがあまり無かったのでそこにまずほっとした。
一応ここ数年の勉強の甲斐はあるようだ。
自分が歴史を勉強しだしたのは、日本人なのに日本のことをきちんと知っているのか?
という自問自答がきっかけだったが
知れば知るほど日本という国が好きになる。
そして今の日本のあり方に疑問が出てくる。

日本の文化。
着物、富士山、という安直なイメージだけではなく、精神。
一番大事なそこが、崩れてきていると思う。
だから、守ろうという意識もないし、守ろうというと右翼っぽいという煽動に騙されてしまう程度の
頭しかない人が多い。

私は、守りたいと思う。日本を。
そのためには、自分で知らなければならないし、選び、学ばなければならない。

意外と『攘夷』の意味を知らない人が多い。
ちょっと歴史を知っていても、教科書だけでは
攘夷=改革、正しい で、佐幕派は攘夷の意志が無い悪者扱い
で覚えている人もいるので、
この1章で攘夷とはなんたるかを学んだ上で
本当の平成でいう攘夷とはなにかを考えるべきだと思う。
私はブログなどで「今こそ一度鎖国するのが大事では」と書いてきたけれど
やはりある程度愛国心のある人は、似たような考え方をするものなのかなと思った。
本当に今こそ、きちんと考えて行動にうつさなければ
日本は日本人の手で滅ぼされてしまう。

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2007.07.15 Sun
短編集。
前半の方が自分としては好みでした。
慌ててマンゴージュースを買いに行っちゃうおばちゃんとか
あのあたり。
家族についての表現ひとつひとつが、ぐさぐさとつきささってくるようでした。

なんくるないとかは、ああ、こういうところが苦手だったんだよなぁと。
高校生の頃、嫌いではないけれどあまりにはっきりとセックスなどと
言い過ぎるところが苦手で、しばらくばななさんの本から
離れていたことがあって。
それを思い出した。

沖縄にいったことはないけれど、なんとなくわかるような
知っているような気がする。
全てに神が宿っていて、生命力に溢れているような。
いつか沖縄で読み直してみたい本。

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2007.07.13 Fri
恩田さんの作品を読んだのは、これが初めて。
ドラマの小夜子を見ていたときも違和感を感じたけれど、
どうやら私は彼女の文章や考え方に違和感があるらしい。

けして嫌いではない。しかし合わない。
なんというか、今時の文章だと感じた。
今はこういう文章が好まれるのか。世知辛い世の中だな、というか。
といっても筆者は私より年上なのだが。

私の大好きな作家のデビュー作は、テレビ番組名を文章の中にいれていたことを
批評家連中に酷評されていた。
個人的にはそれも時代を反映して良いだろうとは思うが、
批判されるべき点だった。そういう時代だったとでも言おうか。
しかしこの人の文章には、割と平気で番組だったり有名人だったり
商品名だったりが出てくる。
殺されてもいい、という言葉遣いだったり
どうも軽々しいという印象を拭えない。

文章自体は非常に思わせぶりで展開が楽しみになる
引きこまれる書き方をしているのだが
あっさり「爆弾がちゃんと爆発するか見に来た」と言わせてしまうし
この残りページ数でどうやって決着をつけるのかと思ったら
超能力者たちが出てきて軽いオチに進み
かつラストは「で?」という感じ。
読み手の判断に任せるというにはあまりにも中途半端だ。

設定は非常に面白かったと思うのだが。
金平糖あたりまでは。
その後はすぐに犯人の予想もついてしまうし。

リアルな世界にファンタジーな世界を交錯させるなら
余程きちんと設定しなければ、結局どんな不思議なことがおきようと
「それは超能力だから」でオチがつけられてしまう。
そこに逃げられてしまう。
デスノートのようなきちんとした設定があってこそ
死神とデスノートというファンタジーな設定でも
飽く迄もリアルな面白さがあると思うので
正直自分の中では非常にどっちつかずの印象の小説だった。

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2007.07.11 Wed
どこが、と具体的にどうしても説明できないのだけれど、初めて読んだ中学生の頃
すごくこの世界観にはまってしまい、自分も100話目にまぎれこんでしまったような気がしていた。
風美が暴力的に待ち遠しいくらい夏が好きなところが、私と共通しているせいだろうか。
なんでも吸収してしまうところが似ているから?
言葉のひとつひとつに引き込まれてしまうのだ。

至極私的なことで恐縮だが、当時お金がなくて本が買えず、心に残ったところを書留めていたのだが
この本に関してはあまりに好きなところが多すぎて、そっくり写本した。
文字を追ってそのまま中身を追って自分のものにして書き写しているうち、
世界観や思考にすっかりとりつかれてしまい、日常にも風美や翠がのりうつってきた。
自分が実の兄と(そんなものはいないけれど)付き合っているような気になって
どこかうしろめたく、落ち着かなかった。
庄司や風美のお母さんが陥っていたのはこういう状況だったのだろうと思った。
異国の言葉を辞書を繰り、一言一言に丁寧に向き合っていれば尚更のことだろう。
普通に読書をしていてのめりこむことはよくあったけれど、
この時の体験はそれとは異質だった。まさに、服を着たままで夜の海を泳いでいるような
まとわりつく不安のようなものがあった。
『呪い』を疑似体験したかのような、面白い経験だった。

最後の海のシーンはとても心に残っている。
穏やかで哀しいけれど、ハッピーエンドだったのだと。
命の美しさを感じる。

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2007.07.09 Mon
基本的に感情を見せない、プライドの高い省吾が
常軌を逸して暴走してしまうほどの強い感情を見せてくれたことが
嬉しくもあり痛々しくもありました。
もっと素直に、拓己が好きだと言ってもいいのに…とは今までも何度も思いましたが、
それも彼の病癖とでも言いましょうか。そういうことが傲慢なのだと考えてしまう人なので
やっぱり痛々しいです。

ネタバレですが。

省吾が、拓己が人殺しをしているのは、させている嵐が悪いのか、
そう教育した自分が悪いのか。
自分だと思いたい、嵐を恨んだら負けだという思考なことには驚きました。
そこまで拓己が好きで、自分のものだと思いたいのかと。
それは別に、セレクトだから傲慢に所有物だと考えている、のではなくて
本当に好きで大事なのですよね。
そんなにも。

微妙に、イズミの謎についてさわっているような部分もあり。
今後の展開がどきどきですが。
明かされちゃうと物語が終わっちゃうと思うと悲しいような。

嵐が如月の隠れ家に来たとき、私はもう省吾だと信じて疑っていなかったので
その投げかけられた言葉に身が震えました。
拓己が「省吾」とついに名前を発してしまうところにも鳥肌がたちました。
だからその後の展開は衝撃で。
やっぱりどうにも私は嵐が赦せそうにありません。

でもイズミが協力というと言葉が変ですが、してくれているのはいいな、と。
しないとイズミが現出できないとかそんな醒めた見方もできるけれど。
そうじゃないだろう、と。
省吾と拓己の会話も、イズミの活躍もまだほとんどないし、
イズミと如月の会話もないので早く続きが読みたくて仕方ないのですが、
兎に角良かった。ふたりが会えて。それだけで、今は十分です。

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2007.07.08 Sun
改めて漫画で読むと、怖いというかブルーになるというか・・・。
まだ1巻なんですけど。2巻なんてもっとすごくなると思うんですけど。
でもこのお話は、好きです。
綿流しもですけど、切ない恋物語でもあるじゃないですか。
いやそれにしちゃ怖すぎですけども。(笑)
好きな人のために必死になってそれが度を越してしまっただけで、好きな気持ち
は変わらない。
一生懸命な詩音をつい応援したくなってしまうんです。
そしてまた、悟史も応援したくなってしまうひとりです。
兄だと言っても、まだ子供。虐待から妹を庇い切れるわけでもなくて
自分だけでも辛いのに、妹を重荷に感じてしまう気持ち。わかります。
暴力は、大人だって屈してしまうもの。
それが親子間なら尚更です。親がしつけだと言えば、それまで。子供が我儘で大袈裟に泣き叫ぶ
と言われたらそれまでで、周りは親のその言葉にだまされたり、気付いても踏み込めない。
親自身もしつけだと真剣に信じているケースもあるから性質が悪い。
この物語の場合は実の親ではないですが、それ以外に親の立ち位置のせいで子供がうけるとばっちりもあるわけで
ある意味では犯人が親でもあるわけです。
結局ハッピーエンドを迎えられないことは知ってしまっているけれど、
それでも少し詩音がやり方を間違えただけで、真摯な気持ちに偽りはないと思うので…。
次巻も楽しみです。
 
 

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2007.07.08 Sun
のっけから笑いました。斉藤さん大好きです。
なんとなく、自分の思い描く斉藤さんはクールでどこか熱く、表面は暗いストイ
ックなイメージなのですが
この風光るの斉藤もこれはこれで非常にはまります。
人を斬って逃げている身で、周囲に迷惑をかけたくもないし目立ちたくないと当
然考えたでしょう。
その状況で実際どうやって京で暮らしていたのか。近藤さんたちと実際どこで出
会ったのかは
いろんな説がありますけども、富永さんみたいな友達がいたのだと想像するのは
救われます。

無念桜の概念は面白いなぁ。
あの時代にも、数羽くらいは甘いものが好きなすずめもいたかもしれないし、い
いじゃないですか。(笑)
非常に良いです。
良いと言えばもう一点。
沖田総司左利き説。根拠は、稽古に使っていた木刀の指の跡が、左で握っていた
ことを示すので、
というもので、だからと言って何もかも左利きだったかは分からないけれど、確
かに左利き説は有力かも。
と自分個人としては思っており、その辺りのオチは使うのか、使うならどうつけ
るのかと思っていたので、
この巻でこのように設定づけるのは非常に面白い。
やられました。
流石、きちんと史実を踏まえた上で描いてくれている筆者ならでは。
やられたなー。こうくるか。と思いました。
これはこれで面白いじゃないですか。本当にそうだったかもしれない。

いくら読み進めても、史実を曲げないのなら悲しい結末が待ち受けていることは
動かしようもないことなのですが
それでもどう話を組み立ててくれるのかと思うと、今後の展開も楽しみです。

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2007.07.08 Sun
単行本サイズなのに文字が小さくて、そんじょそこらの小説よりも
下手したら読み応えがあるのではないでしょうか。
解説もあるし、対談があるのが良かったですね。
私は、ミサミサが死んでしまうとは思っていなかったので…
その辺りはショックかな。
それと、原作者と違って相沢が嫌いで松田さんが大好きなので、そこもやや違和感でしょうか。
本物のノートはライトがどこかに隠したままなのだとしたら、遠い未来
それが発見されることはあるでしょうね。
そうじゃなくてもいくらでもスピンオフものの作れる話です。
だからこそ安売りしないでくれるところもまた良いです。

私はLの死に際の言葉は、「私は間違っていなかった。が、間に合わなかった」だと思っていました。
証拠を集めて追い詰め決定づけるより前に
Lの方が追い詰められてしまった、という。

私は読んだことがなかったので、読み切り版のデスノートも読めて良かったです。
確かに作者としては、消しゴムネタは安直で使いたくなかったのでしょうけど、
あれはあれで良いと思うのですよね。
死後の世界はこのデスノートの世界でも無だったのでしょうか?
気になるところです。

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2007.07.08 Sun
ネタバレですが。
得体の知れない女なのか、園崎家の末裔なのか、と思っていた表紙の女性。
魅音本人だったことに驚きましたし嬉しかったです。
漫画オリジナルストーリーですし、非常にこの先の展開が楽しみ。
梨花ちゃんが幻であれ出てきてくれて協力してくれて、
魅音もそれに対して感謝しているところがほっとします。
本当に魅音なのか、何をしようとしているのかまだ予想がつきませんが、
嫌な終わりは迎えないのではないかと。期待です。

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2007.07.06 Fri
初めて中野ザ・ポケットへ行きました。
携帯のナビで行ったら随分細い道を行かされて、こんな所にあるの?と思ったら、裏道から行かされただけでした。orz
ネットで引換券を購入しただけだったので、ぎりぎりに行って指定席券に引き換えたから席は結構後ろの方。
小劇場なので余計気になるんでしょうが、飲み物を飲んだり包み紙をはがしたり、うちわで扇ぎながら見るのは正直やめてほしいです。気が散ります。
でも舞台自体は最高でした。
役者さんは4人きりなのですが、笑いあり涙ありの緩急のつけ方が素晴らしく、役者さん本人が楽しんで演技をされてる感じで非常に良かったです。
入り口でCDやらを販売していて、細い階段の前をふさぐように並んできゃいきゃいやっていたので非常に邪魔で、これだからマニアちゃんは周り見ないからよぅ。と思ったのですが、
後から調べて知ったけど、自分のお気に入りの役者さんが楽器弾いたり歌ったりしてCD出してたらそれはマニアにはたまりませんね。
でも通路ふさいで並ぶのはやめてね。

舞台はライブあり、脚本自体はベタと言えばベタなのですが、非常に面白かったです。
いやもう最高でした。
これ以上はネタバレなしには書けないので…以下ネタバレ。
というかまずあらすじ。

主人公ハジメの家に居候している後輩の斉藤。風邪でしんどい、と寝込んだ翌朝、突然中身が女の子に。
それは10年前に別れた彼女エリの生霊で、「自分は死んではいないけれど、何故こうなったのかわからないし
今自分の本体がどこでどうしているのかも分からない」と。ハジメの友人タシロも巻き込みつつ、徐々に斉藤の姿だけれど中身がエリだということを認めていくふたり。
そこへエリの兄がハジメを尋ねてくる。「エリが行方不明で心配して探している。電話があったが非常に聞き取りづらく、あなたの名前を言ったようだった」と。
翌日、仕事から帰ってきたハジメに、エリは「自分の居場所を思い出したけれど、その前に話がしたい」と言う。
エリは音楽をやっているハジメが好きだった。でもこのままでは自分が捨てられるのが怖かった。そしてハジメが音楽をやめてしまうのも嫌だったので、身を引くつもりで十年前ハジメの前から姿を消した。
ハジメはエリのことが好きで、エリがいなくなってしまったあまりのショックで音楽ができなくなってしまった。
「もう駄目だと思ったとき、ハジメちゃんの顔が浮かんだ。私は多分死ぬけど、音楽をやめないで」
と言い気を失ってしまうエリ。
「二度も俺の前からいなくなるな」
と抱き起こすハジメ。
エリの兄の携帯に電話がかかってきて、一人旅をしていたエリが足を滑らせて転落、小川にいたところを地元に人に見つけられたという連絡が。
エリは無事助かり、斉藤の意識も戻ってきて、ハジメは本物のエリの見舞いに行き、音楽を再びはじめて…一件落着。

ストーリー自体は非常にシンプル。目だって目新しいわけでもありません。
が、演出がすごい。
まず、細見さん扮する斉藤というか、エリ。いや気持ち悪い気持ち悪い。(誉めてます!)
オカマにしか見えない。なのに、ふときゅんとするくらい、ハジメへの愛情とか、可愛い仕草とかで
本当に女の子なんだな…と思わせてしまう。
ハジメとタシロも、気持ち悪いと言いつつ徐々になじんでいく感じが面白いし、エリとして扱っている愛情と友情が良かったし
お兄さんも、うざさが出ていて(笑)面白かった。
小劇場ならではの、ぶっとんだ演出、思い切った笑い。お客さんが爆笑し過ぎて台詞が聞き取れなくなるくらい。
お兄さんとタシロが来ていて、おつまみを準備するエリが具合が悪くて、ハジメが気遣ったりするシーンとか
ハジメが「もう昔のことだ」とか言いつつまだ抱いているエリへの愛情が見えるんですね。
エリがハジメの背中に黙ったままおでこを寄せて、ハジメが「エリ…」というシーン。
その瞬間、客席がエリとハジメの、お互い今も変わらず好きだという気持ちが伝わって、水を打ったように静かになり…
そこへエリが
「おもしろ~い。斉藤の方が背が高いから、首がすっごい曲がる」
とか言っちゃう訳ですよ。も、客席大爆笑ですよ。
実際細見さんってすごい背が高いから、かなり首はおかしいくらいに曲がってる訳ですよ。
でも、その瞬間には客席は笑いじゃなく、エリの女の子の部分を感じ取っているから、じんときてしまう。
これはすごいよなぁ。

エリが寒いと言って、でも斉藤のは知らない人のだから着づらいと言うので
ハジメが気遣って上着を貸すシーンでも、受ける印象は、優しいな、とか
エリはやっぱりハジメが好きなんだな、とかなんですが、ちゃんとタシロなりお兄さんなりが
「あいつ今斉藤なんだけどな」とか「ホモ?」とか突っ込みをいれてくれるわけです。

クライマックスなんて、お兄さんは東京観光してのんびりかえってきて、
斉藤という男に抱きついて「エリ」と叫ぶハジメがいるわけだから、
お兄さんとしては超気持ち悪いし訳わかんないわけですよ。(笑)
斉藤の中身が自分の妹だなんて気が付いてないし。だから横で、ひきりなしに突っ込みをいれるわけで
こっちは笑っていいんだか泣いていいんだか。
お兄さんの絶好調な突っ込みがあるのに、必死なハジメの名演技。
死ぬと思ったから心残りで、大好きな人に音楽をやめないでと伝えにきたエリ。
「音楽をやめないで」
と訴えるエリに、
「二度も俺の前からいなくなるな」
と首藤さん扮するハジメが叫んだとき、
お兄さんの突っ込みも何もかも聞こえなくなって、かなりぐっときました。
その一言に、ハジメの十年間が、
どれだけエリが好きだったか、音楽が好きだったか
それを手放すほど辛い日々、エリが大事な気持ち、
いろんなものがつまっていて…。

ラストで、エリを殺さないでくれて良かったです。
斉藤くんも戻ってきて、大団円。途中タシロが言ったように、エリがエリの姿だったら蟠りがありすぎて
普通に会話なんてできなかっただろう、と。覚えていなくても体を貸してくれていた斉藤に、礼を言うハジメ。
シンプルなハッピーエンドで、テンポも良くて、最高でした。
 

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2007.07.05 Thu
サンシャインで初演を見てきました。
初演の日に来るのがはじめてで、たくさんのお花と甘い匂いと活気に包まれた開場で驚きました。
初演に来るのもいいですね。

お芝居自体は、初演をテレビで見たことがあるんですよ。
以降ネタバレですが。
初演を見たとき、一切の情報を仕入れずに見たので、舞台がある程度進むまで
家族がみんな死んでいるなんて思いもしなかったんですよ。
あらすじとしては、

家族で2泊3日のキャンプに向う途中事故にあい、長女のホシミ以外みんな死んでしまった。
幽霊になったみんなは家族旅行を続けよう、とホシミを心配して病院までつきそう。
一方ホシミの叔父鉄平は行方不明で、嫁のあやめが同僚の菊川に手伝ってもらいつつ葬式をだしてくれる。
鉄平は浮気をネタに強請られている女性を助ける為、強請りの会話を録音したチップを警察へ持ち込むが、
強請りをしていたのはその警察で、事実を揉み消そうとするふたりの刑事に追われる破目になっていたのだ。
心配するあやめと、それを心配して鉄平を探す菊川だが、見つからない。
しかし家族の幽霊が自分のお通夜に出てホシミがひとりでいる病院に、鉄平がやってきた。
ホシミのいる前であやめに話したいことがあるのだ、と。
ホシミのベッドの下に匿われてあやめを待つ鉄平。が、刑事がはりこんでいて鉄平を捕まえようとする。
ベッドの下にはなぜか鉄平はおらず…。ホシミには鉄平がベッドから出てきて窓から飛び降りるところが見えたのだが
みんなには見えていない。
追われている理由は鉄平の作り話だった。強請りをしていたヤクザに女に代わって直談判に行き、
鉄砲で脅されてもみあう内に相手を撃ってしまい、逃げる途中刑事に撃たれ、川で溺れて死んでしまったのだ。
なぜ作り話をしたのか。なぜ自分が浮気をして強請られたかのように振舞ったのか。
それは、浮気をしていた女性を庇っていたから。それはホシミの母親だったから。

あやめは、自分が好きだった菊川と、自分を好きだった鉄平の間に立たされて、鉄平を選び結婚した。
しかし鉄平は、菊川と楽しげに話しているあやめを見る度に、結婚しても片思いでいる自分を感じて辛くなっていた。
現に、ホシミには鉄平が見えるのに、あやめには鉄平が見えない。それは、愛情がないから。
ホシミに、「それはあやめさんじゃなくて、おじさんがあやめさんをきちんと見ていないから」と指摘され、
鉄平があやめの自分への愛情に気付いた途端、あやめには鉄平が見える。

そして3日目。元々3日の予定だった家族旅行。いつまでも現世にとどまっているわけにはいかないから、と
家族たちは天国へ行くことを決める。
ホシミと家族の本当の別れ。
それでも、ホシミなら大丈夫。あやめもいる。そしてお盆には、また帰ってくる。死者の魂は風となって
どこへでも飛んでいけるのだから。

というもの。
入院患者や看護士さんには家族が見えないから、ホシミが独り言を言っているように聞こえるわけで。
初めて見たときは、家族が死んでいると思わなくて、それが分かるシーンでびっくりして。
鉄平さんが死んでいるとも思わなかったのでとても驚いたのです。
今回はストーリーを知っているからそういう驚きはないわけですが、やっぱり感動しました。
高部あいちゃんが可愛かったですね。いやいいですね。
大内さん演じる鉄平さんも良かった。男の嫉妬はみっともない、と言っているけど、それくらい嫉妬されるほど愛されてみたいものです。(笑)
實川さんの男の子役もまた、可愛いです。普段あんな可愛い男の子なのに、小生意気な男の子に見えちゃうんだもん。ほんとすごい。
岡田さんも美人なのにちょっぴりいじわるなおばあちゃんで。でも人生経験豊富な雰囲気で。場をしめてくれるんですよね。
温井さん演じるお母さんが、「浮気しているのは自分だ」と言ったとき、ストーリーを知っていたのにどきっとするほどでした。自分のせいで鉄平が死んでしまい、ホシミは天涯孤独の身になってしまった。お母さんの辛い気持ちが、その一言にこもっている。
刑事さんのふたりも、はじめはいじわるな感じ。最後は誠実な感じに見せるから不思議です。
畑中君も脇役っちゃぁ脇役なんだけれど、あやめを大切に思っている気持ち、相手が刑事でも幽霊でも怯まないところがすごく良かったな。
そしてやっぱり岡内さん。「鉄平さん」の一言であれだけ引き込んでしまうのは、本当に流石です。なんかこう、貫禄というか、出てきましたね。

ラストで、ホシミが病室に飾っていた家族の写真に光が当たるのも心憎い演出でした。


キリークさん的には、自分の好きな西川さんとかが出ない当たらし目の人たちばかりの舞台だからと言ってみにこなかったんですが、
十二分に楽しめました。
脈々とキャラメルの遺伝子は、受け継がれていっているんだな、と。
最高でした。

当日突然に見に行くことを決めたので、眼鏡も持っていなくて表情がよく見えなかったんですけど
十分迫力を感じたし、眼鏡持参でもう一度見に行こうかなと思います。
開演前にトークショーがあったこともあり、大森さんと篠田さんと岡田さんと坂口さんを間近で見てしまい
感無量の一日でした。

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2007.06.19 Tue
永い夜の方は以前読んでいて、なにも知らず、続編か何かか?
なんて思っていましたがやっと理由が分かりました。
永い夜もとても面白かったのに、作家さんというものは、すごいなと。
作品に対する真摯な気持ちを感じました。
それに良い部分は概ね変わっていないですし。

やはり思うことは、魂のこと。
日常のこと。
人の不思議。

自分が先生と同じ立場になったらどうするだろう?
綺麗事かもしれないけれど、先生と同じようにマリカの傍にいてあげたい。
可哀想だと思うのではなくて、大切な友人として接したい。


作者の実体験が見事に綺麗に織り込まれている停電のシーンは
本当に目に浮かぶようです。さぞかし美しかったろうな。

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2007.05.05 Sat
5日の14時の回見てきました。
非常に良かったです。

女性版TRUTHと言ってしまえばそれまでですが、まつさをなの方がより前向きなハッピーエンドでしたし、女性に光を当てているせいか細やかな心の動きがより表現されていました。

主役の温井さんももちろんですが、私が一番泣かされたのは坂口さんの演技。
初めは礼儀で、今日から養女となる千鶴を出迎えた満寿江。しかし千鶴を一目見て、彼女の態度は一変します。
千鶴が入って来た途端あまりの驚きに言葉を失い、ただ亡くなった娘に生き写しの千鶴に目を奪われます。その間舞台上では物語が進行していき、満寿江が声を発するのはかなり後。
満寿江を演じる坂口さんはその間ずっと、声を出さず、主人の横でじっと座ったままで大きな動きはありません。ですが彼女の姿勢、表情、指先から彼女の複雑な感情が伝わってくるのです。
これには参りました。
彼女が千鶴に「よく家へきてくれました」と万感の思いを込めて言葉を発した時から、物語のかなり序盤だったにも関わらず、娘を亡くしてからの辛かった青柳家がまざまざと思い浮かんで泣いてしまいました。

千鶴の道場入門時の、静馬、鉄之助、栗栖それぞれの表情も良かったですね。
素直に「やるな」という表情の鉄之助、不適な笑みでしかし実力を認めている栗栖、既に南太夫と気付いたかのような静馬。
静馬と鉄之助の試合中の、右肩をかばう静馬の微妙な仕草も良かったです。

春衣が「あの人無しでは生きていけない」と涙ながらに言ったところはたまりませんでした。貰い泣きしました。

そんな中にも笑いあり。
やはり特筆すべきは粟根まことさんでしょうか。西川さんも上川さんもいない舞台をああまで巧みな笑いで広げてくれたのは彼の存在感でしょう。
いや凄かった。(笑)
変なのに、満寿江ときちんとラブラブで、きちんと恰好良いところが魅せます。
ネタひとつとっても、あの長ーい肺活量はやはりプロの役者。何秒間あったか数えてみたら良かった。(笑)

啓一郎が「分かってるのか」と言うシーンも、口の重い男らしくて可愛かった。
途中静馬が言う、甘やかされた育ちの良い真面目な男、という感じがよく出ていて、流石岡田さんでした。

流石と言えば岡内さんも。あれだけ美人でヒロインも出来るのに、りくのような役もきっちりこなせる。
坂口さんのような脇役だけどこの人がいなければどうしようもない、という大御所の役も、将来勤めてくれそうです。


畑中くんも結構脇役でしたが、若先生らしい判断でしたね。
若先生があっさり負けても勝っても良くないのでどうするかな?と思っていたら、成程の展開でしたし。
ああいう避ける演技ひとつとっても体当たりな感じが好感持てます。


見に行って良かったです。
 

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2007.05.04 Fri
私は春日井くんがツボです。
戦争なんだ、というシーンも、大戦果だよ、というシーンも
喜々としてすごい戦いだった、というのを聞いて、やはりそうなんだ。
でも自信無くしそうだから見ないでおく。
その一連の言動が、優しくて却って強く感じられました。
仲間の前では笑顔でいるところが。
普通あの年齢で、「すげーかっこいー」では終わらないでしょう。
死ぬかもしれない、怖いくらい考えるはず。

春日井くんに感情移入をしすぎたせいなのか、
翔子にあまり共感できず。
「あなたの娘じゃない」「お母さん」など見せる台詞はありましたし
感情的になって必死で戦う姿も純粋さを感じましたが
一騎くんが死にそうである、とか分かりやすい状況に見えなかっただけに
あそこまでしてしまうのはどうなのだろうと。
一歩間違えばただの自己満足なので。
可哀想、感動 より、何故今そこまで というのを強く感じてしまいました。

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2007.05.03 Thu
松本まりかちゃんが声を当てている、という以外
特に惹かれるものを見いだせなくてつい放映時は見ずに終わっていました。
名前だけはよく聞くし、賛否両論。
エヴァやSEEDと同じ、という酷評も聞きますが
自分としては今のところ惹かれて見ています。

エヴァは見ていないので分かりませんが
SEEDは取り敢えずキャラデザインが同じなので
かぶってしまうのはどうしようもないことですし。

全体的に、不親切に作られているところが良いです。
ファフナーっていうのはこれこれで、
という説明無しに、どんどんストーリーが展開していき
類推しながら見る伏線だらけの物語というのは基本的に好きです。
OPとEDも、雰囲気が出ていますね。
世界観作りに一役買っている。
まりかちゃんのどこか舌足らずで可愛いのに
聞かせるナレーションや台詞回しも良いです。

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2007.04.10 Tue
実は岡田さんという方を知らなくて。
有名な方なんですね。
なんとなく、オタクの定義とはなんぞやみたいなことを
書いてある本を読んでみようかなと思ったので
チャレンジで読んでみました。
ついてけない内容がほとんどでしたが、なかなか面白かったです。
林原めぐ~み が一番笑った。(笑)

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2007.04.10 Tue
図書館で借りて来ました。
題名はあまりにも有名ですが、きちんと読んだことはないなと思い。

小さき者へは、電車の中で泣いてしまいました。
小さい頃には分からない、大人=完璧ではない ということ。
完璧に見えている父親の苦悩、一人の人間としての弱さ。人の親としての強さ。
短い文章の中にひしひしと伝わって来ました。

生まれいずる悩みで一番心に残ったのは、風景。
旅先でたまたま、筆者の記念館に立ち寄ったこともあるのですが、やはり同じ北海道という土地を知る者として、風という一単語からですらその奥の広がり、温度や匂いまで想像出来てしまうのが不思議です。
私は洗礼こそ受けていませんが、6年間ミッションスクールで過ごしていたので、一番心に残ったのが、パンのために働くという件。
食べるために働く、ということを、パンと表現されることで、自分にはストレートに伝わって来ました。

才能があっても、パンの為には働かなければならない。
才能を活かした仕事を出来る者だけとは限らない。一切関係のないことで金を稼ぎ、パンを買い、自分の夢を自ら手折るしかない人は多いだろう。
なんて勿体無いと思うが、そんな話はあちこちにある。

夢を諦めてはならないと、改めて考えさせられました。

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2007.03.14 Wed

長編だと思って図書館から借りてきたので、オムニバスだったのでややがっかりしました。
あと、表紙に力の抜ける誤植を見つけてしまいました。(笑)

仕事に命をかける男と、彼を取り巻く人間達の恋模様。
一言で言うならそんなお話なのですが、なぜ「すぐ恋愛もってってくだらな」ってならないんだろうな。
この人の話は。
やはりそこにあるリアルな描写と登場人物の真摯な態度によるのではないかと思うのですが。
そしてまた、必ず読後感が良いのですよね。
不倫とかどろどろしていても、読み終わったあとには
それでもどこかに救いがある、という状況なので、嫌な気分にならない。
人間の強さと弱さが描かれていると思います。

毎度のことながら、この人はSPもなにもかも実際やってたんじゃないかと
思ってしまうほどのリアルな描写です。

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2007.03.08 Thu

単純に、知らなければならないと思い読んでみました。
自分の予想と違って、連綿と当時の体験を並べているのではなくて
基本的に回想で、思ったほど残虐で辛くなるシーンが山ほど、というわけではなかったです。
筆者が詩を書く人だということが作用しているのかもしれませんが。

もちろん虐待の実態であるとか、それでも誇らしく思った気持ちとか
そういうことは書いてあるのですが、自分的にちょっと驚いたのが
冒頭の詩。
内容は、靖国に祀られた戦友が筆者に語りかけており、ここではなく故郷に帰りたい、
自分たちは死なせて天皇陛下は長生きをして・・・
という感じ。
ここまでストレートに、戦争に行った人の口から天皇批判を聞くことがなかったのもあり、
靖国神社の意義というかあり方というか、中国から言われるから、ではなくて
本当に遺族の意思を尊重してもっときちんと考えられないのかなと思いました。
分祀や法人化で片付く問題ではない気がしますが・・・
 

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2007.03.08 Thu
読みながら泣きそうになり、非常に辛くて、
これは電車の中では読めないと最後は自宅で読みました。
下手な韓流ドラマより泣ける、とBAMと言い合い。

自分が彼ほどの天才だとはけして言いませんし思いもよりませんが、
どうしてもヒデに感情移入してしまいます。
良くしようとしているのに、うまく伝えられなくて
却って憎まれ口になってしまって反感を買ってしまったり
リーダーと仲が良いとかよく思われているせいで、
「だからおまえはいいよな」ってなってしまって、どっちの態度を取ろうと
取り敢えず悪いようにしか解釈されなかったり
こんなんじゃ駄目だって現状を打破したいのに、理解してくれる人は少なくて
今が駄目だから、じゃなくて自分のひとりよがりで変えたがっているように見られてしまう。
読んでいて正にこういう状況に自分が陥って苦しかったことがあったので
すごく辛くて。

しかもそんな高校生レベルの、言ってしまえば低レベルなことが、
「大人」たちの、しかもワールドカップという重要な舞台でも起こってしまうという
人間の性というか危うさというか

ジーコとヒデが喋っていて、日本語と英語しか分からない自分には
何を話しているか見当もつかない
そんな状況の中で、ヒデに嫉妬したり嫌悪感を覚えて彼の行動を悪くばかり取ってしまう
”国内組”の気持ちも物凄くよく分かる。
誰が悪いというわけでもないし、犯人を捜して吊るし上げれば解決する問題でもない。

それでもどうしてワールドカップであんなことに。
と見ているだけでファンは感じたはずだし、内情をこうして知ってしまうと
より一層なぜ、と思ってしまう。
読み手に対して敗因を模索して示してくれた三人のライターさんはどれだけ苦労したことか。
でも少しだけ、ああそうか・・・という気持ちにはなれた。

やっぱり自国開催のときほど、ファンのエネルギーが違ったのは否めない。
お祭り騒ぎは同じでも、当然優勝☆ぐらいの雰囲気だった日韓のときに比べて、
前回のW杯は「なんか意外と強いみたいだから行けるんじゃん?」とか、
「どうせ無理だよこの予選は」みたいな、そういう、なんにせよ『絶対』という気持ちが
ファンにまず欠けていた。
ジーコのことは好きだけど、正直やはりまずかったし(今のチームに合っていなかった)
それに対して更迭を望むほどの強い声を、国民があげられなかった。
ごく一部だった。

ヒデの涙がパフォーマンスだったとか、そんな悲しい言葉が出るくらい
荒んでいるチームで、一丸となって戦うことなんてできるわけがない。
それでも一丸となるのがプロだと言ってしまえばそれまでだけど
やっぱり人間だから。そういう感情ってコンディションにも影響してくるから。

次のW杯こそ。
そしてカネコさんに、惨敗とか敗因とかじゃなく、歓喜とか勝因とか優勝とか
happyなタイトルで本を書いてもらえるような結果を望みます。
一ファンとして変わらず応援していくので。

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2007.03.02 Fri
ファンの方などには申し訳ないが、読んで損した。
何が言いたいのか分からない。
読み終わって、吐き気がした。「で?」としか思えなかった。
何も伝わってこなかった。

犬が手話で命令を覚えているという設定は面白いけど
それも生きてこないし、主人公の第六感も意味が無く役に立たなさすぎ。
半分も読み終えたところで犯人が計画を暴露している上
別にどんでん返しもないから、ミステリーとしてはそこで犯人が分かってしまうので
もう後半は読む価値もない。
ネタバレですが

更に主人公はあっさり殺されてしまい、犬は犯人を結果的に殺し仇をとるが
自分も死んでしまう。
で、なんでしょうか。
犯人の殺意は誤解によるものというのがたった数行で足早にとかれる以外
『転』と感じられるものもなく、
大体犯人に不信感を抱いた主人公の仲間もいるのに犯人はなぜこの程度で
まるで完全犯罪のように余裕だったのか。
主人公が友達に、「誘ってもらったから一緒に山へいってくる」とでもメールしていたら、
一緒にいたはずの犯人たちに疑いがかかるのは必須なのに。
主人公と犬を悲しく殺すことが目的で、ミステリーとしての面白さを
筆者が書かずに(書けずに)いるとしか思えない。

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2007.03.01 Thu

短編集、それもいろいろなところにいろんな理由で書いたものを
集めたものなんですが、なんかほわっと何か余韻の残る感じが良いです。
中でも函館のことが書かれているものがあったりして、
そうするとやっぱり函館で育っただけあって、
「風」
という一言で強さや匂いまで浮かんできて、
しかもそれが多分辻さんの思い描いて書いている風ときっと同じなんだろうと。
それでじわっとくる情景とか
なんていうかまぁ行間とでもいいましょうか。
それをものすごく感じました。
意味も無く涙が出てくるような感じ。

良かったです。

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