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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2009.01.17 Sat

見てみたいとは思いつつ、気が重くて中々見られず…。
やっと見てみた。
結果、見てよかったと思った。

タイトルだけでは、ピアニストが徴兵されたとか、現地で兵士を慰めるための音楽を弾かされていたとかそういったことを想像したのだが、
全く違った。
ただただユダヤ人であるピアニスト、シュピルマンが迫害され、逃げ、生き延びる姿だった。

迫害される様子が取り立てて残酷に大袈裟に描かれるのではなく、
なんの躊躇もなく無表情に突き落としたり銃殺したり
略奪したりする様子が寧ろリアルで空恐ろしく感じられた。
シュピルマンがそれらを特別に助けるヒーローでもなく
普通の人として、できることをし、できないことを悔い
時に貪欲に生き延びていく。

原題は『The Piannist』であり、わざわざ「戦場の」とつけたことを
批判する意見も見たが、自分は寧ろ素晴らしい邦題だと思った。
戦場というのは、何も最前線だけではなく
ゲットーの中も戦場である、日々を生きぬくことが戦いなのだ
と感じられた。
そうした深い意味を込めてつけられた邦題なのかは知らないが。


以降ネタバレ。

シュピルマンを真摯に匿ってくれる人間もいれば
人の弱みにつけこんで金を持ち逃げする人間もいる。
追い風の時に味方することなど誰にでもできるが
こういうときこそ人間の真価が問われる。

大尉がシュピルマンの名前を聞いた時
何故らしい名前だと笑ったのかイマイチわからなかったが、
ドイツ語でシュピールが演奏する、マンが男なのだそうだ。

ドイツ兵が捕まり鉄条網で囲われた中にいるのを見て
ざまぁみろと唾を吐きかける様子は痛かった。
人としていけない行為ではあるのだ。
だがしかし、あれだけ辛い思いをさせられ、その元凶がこいつらだと思えば
そうしてしまいたくなる気持ちもわかってしまった。
その罵声で相手が音楽家だと知った大尉が
「自分はシュピルマンを助けた、だから自分を助けて欲しい」
と言うのが、全くのフィクションなら出てこない台詞な気がする。
その格好悪いまでの人間臭さがあまりにリアルに感じた。

この大尉、調べてみるとシュピルマンだけを特別救ったわけではないそうだ。
ポーランド語を覚えポーランドの教会に通うなど
やはりそれだけの人だったらしい。
こういう人こそ生き延びて欲しいものだが、獄死してしまったそうだ。
シュピルマンの演奏をラジオで聴くことはできたのだろうか。

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