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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2009.09.16 Wed

キャラメルの情報で、畑中さんが出演している映画
として知ったショートフィルム。
サイトを見て興味を覚えたので見に行ってみた。
3日間ある上映日の内二つが日曜日で
ただでさえ渋谷という街が苦手な私は水曜日の今日を選んだ。
どうせなら、トークショーもある訳なのだし、と。

『Lost & Found -落とし物あずかり所-』
監督■三宅伸行
脚本■三宅伸行・荒井真紀
出演■菅田 俊 坂田雅彦 畑中智行 ほか
制作■gasebo film

真夏の夜の万華鏡
http://www.acedeuce-ent.jp/mangekyo/

【Trailer】http://aff.bside.com/2008/films/lostfound_aff2008


池袋のシネリーブルで事前に買ってあった前売りを持って
18時過ぎに到着して整理券と引き換える。
その時点で既に28番。
暇を潰して20:30頃ユーロスペースに戻ると
20~40代の女性でロビーはごった返している。
キャラメルのグッズを持ってきていたり明らかに畑中ファン。
自分も畑中さんが出ているから来たとは言え
見るからにミーハーな雰囲気にひいてしまい
自分も傍から見たらこの人たちと
ひと括りにされるのだろうけど、嫌だなぁと心底思う。
整理券番号順に入ると
走って席を確保しようとする姿が浅ましい。

取り敢えず自分は、三列目の中ほどがあいていたので着席。
上映後のトークショーに出演予定の
畑中さんや監督、脚本家が普通に客席に来たので
ちょっと驚く。
全員が気付いていた訳ではないだろうが
ざわざわと畑中さんの方を女子らが振り返っているので
そのせいで気付いた人もいただろう。
特に変装もせず座っていたのだからある程度覚悟の上だっただろうが
畑中さんが顔を覆う様に肘掛に肘をついていたのが
もしも騒ぎにならないようにという配慮だったのなら少し可哀想に思った。

お三方は普通に席で鑑賞され、エンドテロップのところで
一端外に退出されたようだ。
トークショー自体はとても面白かった。
本当は雪かきのシーンなどなかったとか
エキストラさんの話だとか
畑中さんが声が大きく動作も大袈裟で…
など裏話も聞けた。

ただ、畑中ファン(と思われる人たち)が
畑中さんの言葉にだけオーバーリアクションだったり
私の座る椅子の背中を蹴飛ばすほど
座席で子どものようにバタバタしたり大笑いしたり
これは映画を見ている最中にも気になった。

「僕は劇団の人間で普段は舞台に立っていて」
と畑中さんが話すと
「そんなこと知ってるわ、ファンだもの」
といわんばかりのリアクション。
なんだかなぁ、と思った。

この映画を純粋に楽しみに来た人にとって
そういう人らの存在は取り敢えずうざいだろうし
ウザ過ぎて、こんなうざい奴が好きな役者なんて
大したことないオタク向けの若造だろう、って
思われて終わってしまう危険性があるのでは?
わかりやすく言えば、ジャニオタが
一部の行き過ぎたファンの言動のせいで
ひと括りに馬鹿にされるのと同じ事である。

先日SPの映画のエキストラが岡田くんが好きな余り
彼の芝居を邪魔するような行動を取ったという
ニュースを見た。
岡田くんが素晴らしい演技をしても
後ろのエキストラが岡田くんを見てニヤニヤしてて
そのシーンが使えなかったとか
本当のファンがやることではないと思う。

別に畑中ファンだということをを隠せとは言わないが
キャラメルのグッズ持ってきたりして
アピールするのはどうなのだろう。
キャラメルの公演は畑中さんのホームだから問題無いが
これは映画というアウェイでの挑戦なのだし
彼を知らない、普通に映画だったり監督や脚本だったり
他の役者目当てで見に来ている人もいるのだから
もうちょっと弁えるべきだ。
年始のニューイヤーパーティでも思ったが
自分らの言動で他のファンや、何より役者本人に迷惑がかかるということを
もうちょっと考えたらどうなのだろう、と思った。


映画はショートフィルムらしい、ベタで荒削りな作りで
好感が持てた。
実質一週間ほどで撮影したというのも頷ける。
自分は山形の駅の作りが
東北北海道という同じ作りのせいなのか地元にも似ていて
思い出して懐かしくもなった。



監督の趣味であったり
都合の良い浅い脚本が気になる部分もあったし
分かりやすく起承転結のあるメジャーな映画とは違うが
素朴で淡々とした日常を切り取った感じが良かった。
映画では描かれていない裏設定のようなもの
たとえば萩野が駅員という仕事に前向きでない理由
などを色々想像する見方が出来る。

脚本の荒井さんが萩野には別の役者を考えていたが
三宅監督がもう少し癖のある役者でなければ、と
畑中さんを見初めラブコールを送り実現した出演だそうで
舞台で培った畑中さんの存在感ある演技
好青年らしく見えて”イイヒト”ではない昨今の若者
といった感じのバランスが丁度良く取られていたように思う。
畑中さんご本人としては
悪人、善人とどっちかに極端にふられていてれば
吹っ切って演じられるが
この萩野という役はそのどちらでもないので
カットがかかる度「なんでこう一言多いのだろう」
と反省し、胸が痛くなったそうで
ラストの着地点には安心した、と仰っていた。

こんなところで燻っていたくない という思いや
相馬に対するうざったい気持ちと
痛いことを言われて言い返したい気持ち
など、とてもリアルだった。

ネタバレになるが

相馬が自殺(と言い切れるのだろうか)した時
暗澹たる表情で部屋に戻ってきて
富樫に報告しながら思わず泣いてしまい
もう涙が止められない
という演技は、流石に畑中さんの演技力でもらいなきしそうだった。

基本的に、主役は富樫ではあるものの
舞台は駅から動かず淡々と日々は過ぎていき
どういった生活を送ってきた人なのか、ということは
富樫と相馬が茶を飲みながらの会話
という形でしか語られない。
もう一本の時間軸として用意された萩野が
良い位置でバランスを取るが、萩野自身のことは大して分からないし
他の乗客たちのことも想像するしかない。

だがそれが、駅という場所で毎日のようにすれ違い
顔を合わせてはいるのに
互いのことはよく知らない
想像するのみ
というリアルと重なり
その中で落し物預かり所でのささやかな交流
落とした物から伺える人柄



普段舞台ばかりで映画初出演とは思えない彼の演技は
引き込まれたし
彼や舞台に興味のなかった人にも知ってもらえたなら
良いのですけどね。

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