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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2006.06.23 Fri
朝池袋で、日本代表のユニフォームを着た男の子を見かけた。
下りの電車に乗っていったので、多分パブリックビューイングの帰りかなんかなんだろう。
帰って寝られるだけいいなあとも思うけど、まあお互い辛いよね、と心の中で語りかけてみる。

そんなわけで、惨敗に終った日本代表。
ワールドカップはまだまだ続くけれど、8割ナショナリズムで見ている私にとっては
短いワールドカップでした。
玉田の先制点で沸き立っただけに、前半終了間際、そろそろ一点とっとこうよ
というタイミングで逆に入れられてしまったので、正に
短けぇ夢だったなあ…。みたいな。(クロトワさん風で)

開戦前は、ジーコが土下座してブラジルに負けてくれって頼めばいいんだよ
などと捨て鉢な話題で盛り上がっていた我が家ですけども、
オーストラリアークロアチアが引き分けというひとつの奇跡的な条件が整っただけに、
ブラジルに追いつかれかつ逆転はあんまりだった。残念だった。
あのスコアがまるまる逆だったら良かったのに…。
辛すぎるなあ。
韓国でもきっつい報道が既になされてるみたいだし。
でも致し方ないよね、この結果じゃさ。
全敗惨敗だもの。

ジーコのカードの切り方について、あちこちで散々言われているけども、
今回も納得がいかなかった。
万人が納得のいくカードを切れる監督っていうのもそういないだろうとは思うけれども。
BAMとしては、小笠原に変えて小野を出せば面白くなる、と言っていたのに
なかなか動かず、やっと切って来たのは中田。いや 中田選手個人的には好きですけども…。
しかも今大会では私的に役立たずな高原出すし。しかもすぐ変えるし、それで大黒出すから
もうカードきれないっていう、一体なにしにきたん?的な。
2戦に比べれば、まだ残り時間のある状態で出してもらえた大黒だけど、
そういつもいつも困ったときの大黒様頼みは通じませんよね。

イナがよくパスを通してくれて、アレックスから綺麗に玉田に行って、
玉田もキーパーをよく見ながら弾道決めてくれて、鮮やかで玉田らしくもあり
嬉しかっただけに
川口が相変わらずの好セーブで守護神!だっただけに
本当に残念だ。
そもそも、3戦通してそんなにボロ負けしそうな戦いには見えなかったのに
魔が差してあれよあれよって感じで、だったらどうにもこうにも歯が立たないねっていう
負け方の方がまだ気分が良かったかもしれない。

私がヒデを好きになったのは、BAMから彼が転ばない理由、を説明してもらったからで、
転ばせるのはDFとして当然であるとか、転ばされた方も敢えてうまく転んで
ファウルを貰いにいくとか、痛がって時間稼ぎして味方を休ませるであるとか
そういう駆け引きとかもまったく知らなかった。
そういう駆け引きがあるけれど、それを差し引いてもころころ転ばされるのが恰好悪いから
そうならないように体を鍛えるっていう感覚もBAMから聞いて初めて知った。
サッカーって足を使って手を使わないものっていう感覚しかなくて、足をうまく使うためには
上半身を鍛えてバランスをよくしないといけないとか、そういうことって言われたら
それはそうなんだけど、全然気付かなかった。
ヒデは確かに、激しく当たられても滅多に転ばない。自分でバランスをとって走りつづけたり出来る。

そんな滅多に転ばないはずのヒデが、立ち上がれなかった。
それが今朝の試合のラストだった。
フィジカルに強いヒデが、立ち上がれないショックを受けてピッチに倒れこんでいる。
見ているこっちが悲しくなる光景だった。
ヒデが如何な気概でこのW杯に望んでいたかの証でもあると思った。

そんなヒデの試合後のインタビューが、朝めざましテレビでやっていた。
というか、あんな試合の後でインタビュー答えさせられるなんて、
「ダイハツが、ダイハツが」とばかり訊かれて「………」っていう大黒さんのCMと同じで、
そもそも『おまえなにいってんの』的なことであるのと同じなのに、
答えてくれる選手の皆さんはさすがプロフェッショナルだなと感じた。
それに引き換えインタビュアーの、紋切り型の質問。
「力が出し切れたか、出し切れなかったか」
って、出し切ってこれなのか、出し切れなかったからこれなのか、っていう質問の意図はわからなくはな
いんだけど、それを聞いてどうするんだろう。
負けは負けじゃないか。しかも前々からそういう態度でインタビューの臨んでいるヒデ相手に
そんなこと訊いてほんとどうするんだろう。
ヒデも案の定、ちょっと怒り気味で若干文法可笑しかったけど、
「出し切ったにしろ出し切って無いにしろ、戦った結果がこれなのだから」
という趣旨のことを答えていた。まあだからそれって出し切ったけど駄目だったねってことで
そう答えて欲しかったんだろう、インタビュアーも。
だけどヒデの感覚からしたら、あと、BAMみたいなサッカー小僧の、本当にサッカー好きな人から見たら
日本の試合ぶりってずっと甘かったし、監督もおかしかったし、
でもじゃあ俺は細かいミスはしても力は出し切ったけど、他の奴らが真剣にやってないから負けた
なんて言えるわけがないわけで、しかもヒデみたいな人はそういう風にも考えて無いし言わないだろう。
なのに変な質問ばかりするから、ついに
「話聞いてますか?出し切った結果がこれだったんで」
とヒデぶちぎれ。
ああ…。
もう見ていて泣きそうだった。心が見えるなら、きっと血まみれでひどい傷で、立っているのがやっとだったろう。
なのにお馬鹿さんだからなのか、お仕事だからなのか、質問を続けるインタビュアー。
しかもこの次の質問が
「4年後次の大会がありますが」
なんなんだこの質問は。
ありますがなんやねん。
次も絶対出たいと思います、と言わせて頑張って下さい、で終らせたかったのか、
ピッチであれだけ泣いてた男を捕まえて、カメラの前でもうきっと出られないだろう、俺のワールドカップ
はこんな惨憺たる結果に終ってしまったんだ、と号泣して欲しかったのか。

ヒデが、というかヒデだけじゃなくて基本的に今回出ていたメンバーほぼ全員が、
次のワールドカップに出られないことぐらい素人の私にだって分かっている。
出られたとしても現役ばりばりというより、伝説のヒーローって感じになるだろう。
例えば日韓のときのゴンさんみたいな感じで。
もちろんあれはあれでかっこいいさ。確かにヒーローだし、訳もなく血の温度上がったさ。
でも選手本人にしてみたら、それと現役で出ることは違うし、
少なくともこのメンバー全員で出られるわけではない。
そして試合に臨む者として、結果が全てで、最後だろうと4年後があろうと、今回勝たなければ意味が無いのだ。

それなのに、次の大会がありますが、と訊いた。
ヒデはふっと苦笑いというか、もうほぼ嘲笑であとは何も言わず立ち去っていった。
満身創痍だった。


こういう対応に、とやかく言う人はいるだろうし、インタビュアーとしては、質問の答えに
期待通りな内容で答えてくれて、「ありがとうございました」って言われるまで丁寧に全部の質問に答えて、
「ありがとうございました」って頭下げて立ち去る選手の方が嬉しいし楽だろう。
でもね。
ピッチは戦場なんだよ。
もちろん選手のみんながそういう心構えだったかはわからないし、なんとしても勝つ!という
泥臭い気合が見えた人ってごく僅かだったけども、でも戦場に行って
血まみれのそれこそ侍に話を聞くなんて、そんなもん殺気立ってるに決まってるのに。
侍に「今回は殺されましたけど、なんで殺されたんでしょう?」って
弱かったからに決まってるわけで、だから殺されてんのにそんな言葉で攻撃受けて、
なんか可笑しいなぁと思う。
左手を痛めて、でもそれ以上に心が傷ついて戦場から帰ってきた男に、なんて酷なことを訊くんだろうか。


本当に悲しい。
そして天才はいつもひとりで、孤高で、天才だからといってひとりで何でもできるわけでもなく、
かえって不自由で孤独でなにもできなくなるものなんだなと思う。
でも結局、グラハーで朱音ちゃんも言っていたけど、私の好きな人はそういう人ばかりだ。
大切なものがひとつあって、それに嘘をつかない。裏切らない。
そのためにはとても厳しくて、いつも心を大切にしている。
本当過ぎて近寄ったら痛いことだらけだけれど、それでもやめられない。

4年後までがとても遠い。
でも、サッカーの試合はW杯だけではないのだから。
またそれぞれの持ち場で、自分のために自分の満足いくサッカーをして
そしてできることなら、4年後にも、あのうちの何人でもいいからピッチに帰ってきて
雪辱を果たして欲しい。

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