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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2008.12.07 Sun

公開当時映画館まで見に行った。

実話を元にしているからと言って
丁寧に作ってあるとは限らないし
押し付けがましいだけの話になることだってある。
しかしながらこの作品は、非常に丁寧で
ここに描かれる現実を生き抜いてきた人たちへの
敬意もきちんと払われているように感じられる。
それでいて、可哀想だの頑張っただのという
押し付けがましさがなく、見ていて自然に感情移入出来、
紀美子のダンスシーンでは映画の中の観客と同じに
思わずスタンディングオベーションをしてしまいそうなほど
感動した。


紀美子とその親友の早苗がとても良い。
田舎娘の憧れから入ったフラダンス。
しかし当時にしてみれば露出の多い衣装で
ストリップと大差なく感じる人も多かっただろう。
また、炭鉱を潰して作るハワイアンリゾートで働くことになるので
裏切り者扱いをされても致し方ない。
都会からやってきた、女の癖にひとりで身を立てられる
つんけんした美人のダンス講師まどかが
やっかみやいろんな感情で噂されるのもまた理解出来ることだ。
全てがリアルだった。

早苗が父親に殴られるシーンは、他人事とは思えなかった。
自分のやりたいことがあるのに、理解されず
力ずくでやめさせれば良いと思っている親。
それに対して本気で怒り立ち向かっていったまどか。
男風呂に乗り込むという滑稽さを盛り込んだシーンながら
深いシーンだったと思う。

紀美子の兄もかなり良い味を出している。
何も考えていない風を装いながらも、なんだかんだいって
妹思いで、そして母のことも大事にしている。

まどかが踊るシーンは、さぞかし松雪さんにとって、プレッシャーだっただろうなと思う。
なにせ、完璧に踊り上げる必要があるわけなのだし。
そしてまた、コメンタリーで話していたが、あの松雪さんの踊りを見ていて、蒼井さんが
「これを踊らなくちゃならないなんて」
とプレッシャーに感じるのも道理だ。
母が見ている前で踊りあげる紀美子の美しさは圧巻。

見ているこちらまで、一体どうなることやら
と思うほどひどい状態から始まったフラガールたちが
日に日にダンサーとして成長し
まどかの表情も柔らかくなり、一体感が生まれ
思わず見惚れてしまうほどのゆるやかな笑顔を見せる。
実際の役者陣の努力と成長が伝わってくる。

彼女たちフラガールの熱に引き摺られるように
紀美子の母と兄がみんなに頭を下げてストーブを集めるシーンもまた良い。
兄は炭鉱で働き続けている。しかし、妹や友人たちの努力を無駄にしたくないとも思う。
至極自然な感情の動きだ。
彼が最後まで、リゾート派に寝返ったり、反対だと憤ったりせず、淡々と炭鉱で働き続けるのも良いところ。

監督がOKを出したのに納得がいかず
もう一度踊ったというラストの紀美子のダンスシーンは
何度見ても溜息が出るほど美しい。

とても自然に、懸命なことの美しさに納得し
見終わった後も爽快な涙を覚える作品。

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