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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2009.03.27 Fri
新宿FACEに行ってきました。
『すべて』『光』どちらも、原作を読んでから行きました。

*劇場について
劇場ではなくて、元ライブハウスで今はプロレスなんかに使われている訳で、仕方ないとは言え、パイプ椅子でかなり狭い。
"審査員席"と渾名されていた、机のある席ならまだしも、冬のコートやら荷物が多いこの時期、荷物の置き場は無いし、左右は勿論前後も狭くてかなり辛い。
何より、空調? の音が煩いし、作り的に役者の声がよく聞こえない。かなり残念。

*すべての風景の中にあなたがいます
原作を読んだときに、キャラメルの舞台として演じられることに、なんの違和感もないストーリーだと思った。
滝水をおっかーさんが演じるのもぴんとくるし、想像が出来た。
そんなに原作を変えずとも、十分成立つのではないかと思った。

実際見てみて、知り合い程度のSF作家、加塩を、滝水の友人として端から登場させたのにはちょっと驚いた。
正直言って、『クロノス』の館長ほどの必要性は無かったように思う。序盤は特に。
加塩の登場で、長者原の重要性、友人としてのスタンスが薄れてしまったのは残念。
その分、長者原とアシスタントがテンポ良く笑わせてくれたのはよかったのだが。

確かに、滝水が一人で考え込むというよりも、友人に経緯を説明する方が舞台としては展開しやすい。
何より、一番原作において唐突に感じられた、滝水が冬山に登る動機。
加塩に切々と、
沙穂流に会いたい。この思いは未来へ行くに足るだろうか。
と語り、賭けてみると山へ赴くのは納得がいった。
このままこの世界で生きていても意味がない、とまで言わせた滝水の心理のお蔭で、あれほど登らないと約束した山に登ってしまうことが自然な流れになる。

ラストシーンでは、出来れば滝水と沙穂流ふたりきりにして欲しかったのもやや残念。
メリハリをつけ、笑いも入れたいのがキャラメル、とも思うけれど、やはりあのシーンは
あれだけ滝水が苦しんで、死んでも構わないと賭けてやってきたのだから、ふたりだけで演出して欲しかった。

原作を読んでいて、展開が全て分かっているにも関わらず
彼女に会いたいと加塩に訴える姿、
沙穂流の前で崩れ落ちる姿には
鳥肌が立つほど感動した。
流石岡田達也さん。


冒頭のダンスは、とても恰好良かった。
ふたりが入れ違いになり、流れる時間に翻弄される感じだった。
原作では二人がやりとりする手紙の文面も載せられている訳で、これを芝居でやろうとするなら、手紙を出した人か貰った人、どちらかが読み上げるという手法にやはり限られてくるか。
スクリーンに全てを表示する訳にもいかないし。
個人的には、沙穂流が用意した、現代には無い材質で出来た入れ物と
それに貼り付けたテープが自分の貼った物と違っていることに滝水が気が付く原作のシーンがとても好きだったのだが
舞台では岡田さんと温井さんがそれぞれポケットなどから手紙を引き出して読み上げていた。
少し残念だったが、仕方ない。況してや、一時間に詰め込まなければならないのだし。

舞台上で何度も交差する演出が、すれ違いという感じで良かった。


*光の帝国
主演の畑中さんは、小学生と大人の二役
それも、別人じゃなく同じ人の回想と現在を演じる。
メイクも無しに舞台上で演じ分けるのはかなりの苦労があるのでは
と思う。
子供を演じているとき、若干わざとらしく感じる部分もあったものの
素晴らしかったと思う。

原作は正直言ってあまり好きではなく、とても暗い重い固まりを飲み込んだような
印象が残っているのだが
そこだけに終わらず、前を向かせてくれるような雰囲気が
全体にあった。

阿部さんのこのような演技は初めて見た。
若手育成講演でもすごいと思ったが、今後もとても期待。

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