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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2007.11.02 Fri
先日『橋』を見に行ってもらったチラシ、『38℃』。
キャッチコピーがたまらなく好きで取ってみたチケット。
が、諸事情により演目が変わると。
お目当ての俳優陣は追加はあれど変更はないので見に来た。

場所は恵比寿site。ギャラリーと聞いてはいたけど
入ってみてびっくり。
教室より狭いスペースの後ろ半分に、台や座布団や布で作った
15cmほどの高さの長椅子調のものが並んでいるだけ。
パイプ椅子ですらない。
最前列に至っては床に敷いた布に直接で、段すらない。
整理券番号が16で、最前列にも行けたんだけど、2時間安座はきつい
と思い2列目に。それでも段が低いし、満員電車並に前後左右の人と
至近距離なのでかなりきつかった。
特に左の人の観劇態度が雑でうざかった。

が、お芝居はとても良かった。

ストーリーは、731部隊の幹部と衛生兵合計7名に封筒が送られてきた。
中身は空。封筒に、場所と日付のみ記されている。
一体誰がなんのために呼び寄せたのか。
その頃、帝銀事件が起きていた。使われた毒はなんなのか。
犯人は素人ではない。この7人の中にいるのではないか。
一体なんのために。
犯人が捕まることで、731部隊でしていた実験のことまで世間にばれてしまうのでは
と恐れ、彼らは呼び寄せられた旧陸軍軍医学校跡地に
定期的に集まり、互いを見張ることにする…。

というもの。

幹部連中は少将、大佐二人、中佐二人、少佐一人。その中にひとりまじる衛生兵。
何故衛生兵が呼ばれたのかという謎。
事件で使われた薬物はなんなのか。犯人は誰なのかという謎。
話が進みその謎のヒントと共に、大内さん演じる辰沢大佐の
現在の仕事や妻が病気であること、妻とうまくいっていないこと
731部隊でのことなどが次々と明らかにされていく。

狭い室内で、実力のある役者さんたちが声を張り上げるたびに
壁がビリビリと鳴る。
それだけでも迫力だった。
目を真っ赤にして訴える衛生兵。
ひとり疲れて佇む大佐。

重い過去を抱えて、人は生きていけるのだろうか。
事あるごとに甦る記憶。それは、棄て去りたくとも拭えない記憶。
悪とは何なのか。
罪とは。
罪は贖えるのか。

心に重く残った。


会場に残っていれば、役者さんたちが戻ってきたらしいのだが
会っても緊張するだけだし
足腰も痛いので、退散。
何より辰沢大佐が心を占めていたので、大内さんに会ってきゃーきゃーという
心境ではなかったので。
外へ出て深呼吸をしても、重たい棄憶と血と薬品の匂いが
自分につきまとっているような気がした。
夜の海を服を着たままで泳いでいるような、重くまとわりつく感覚。

見に行って良かったです。





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