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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.05.20 Mon
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2006.03.28 Tue
これも何度か読んでいるけれど、また読んでしまう。
ならいい加減に買えばいいのに。(また図書館です)

うたかたもとても好きだ。
家族の不思議な形、嵐との一風変わった恋。
とても前向きで、明るいお話だと思う。
でも私は、サンクチュアリがもっと好きだ。
つい智明くんに感情移入をしてしまうのだ。

以降ネタバレ。




不倫の恋という秘密を抱いたまま死んでしまう友子。
残されたのは自分だけ。
自分ひとりでこの秘密を背負っていかなければならない。
打ち明けてもくれず、連れて行ってもくれなかった恋人。
本当に好きだった、行き場のなくなった自分の気持ち。
その事実も、全てひとりきりで抱えていかなければならない。
それがすごく、辛いなと思う。

呪いのように力が出ない、ダウンしたままの時間稼ぎ
という表現は、秀逸だなと思った。
どうしていいのか分からない脱力感。
しかも智明くんの場合は、周りには落ち込んでいることがばれてはいけない。
彼女の死すら人づてに聞くしかなく、高校時代の友達としてしか
葬儀にも行けない。
その全てが暗く、重くてだるい。

毎晩夢に見ては、現実に引き戻される度何度も味わう辛さ。

傷を舐めあっているのだとしても、つまり、悲しみを盆栽にして眺めているとしても、
馨と出会えて良かったのだ。
やっと時間稼ぎも終わりをつげて、少しずつまた、智明くんの今が動いていくのだと思う。
それが嬉しい。

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