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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2025.04.07 Mon
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2010.02.18 Thu
アーシュラ・K・ル・グィン
早川書房
発売日:1980-07

10年間に書いたものをほぼ発表順に収録した短編集。
17編も収録されており、読みごたえはかなりある。
解説が非常に的を射ていて、
『これらが何の説明・先入観もなく雑誌に載ったとしたら
はっきりいって、文句のない完結性を備えた短篇はほんの数篇』
だが
『各短篇が”アーシュラ・K・ル・グィン”という大長篇の部分を切り取った』
ものであるという表現が適切。

正直、彼女の世界観がとても好きな自分でさえ
受け付けられない部分や、理解し辛い部分があった。
短編としてその作品だけ読むには表現しきれておらず不完全な物が幾編かある。
ただ、こうしてまとめて読むことで多少なりともそれが緩和され、
ル・グィンという世界の空気感を味わうことが出来る。

個人的にはゲドの2巻の、あの陰鬱とした暗く混沌とした、
それでいてどこか美麗さを感じるあの雰囲気を
増幅したように感じる文章だった。
ファンタジーとしてとても素晴らしいし、発想もまた秀逸。

私は、『冬の王』『九つのいのち』『帝国よりも大きくゆるやかに』
が特に好きだった。

冬の王では、退位させること・させないことのどちらが陰謀なのか
どちらとも考えられることに気付いたとき、さりげない空恐ろしさを感じた。
帝国~ではエンパスの描き方に興味を恐怖を掻き立てられた。

クローン実験について一家言あるつもりの自分は
九つのいのちの
「君は自分にむかって、おやすみを言うか?」
という言葉が胸に突き刺さった。

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