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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.11.21 Thu
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2009.03.18 Wed
一言で表すなら、彼ら家族の生き方に感銘を受けた。
けして明るい話ではない。
なのに、力強く光が差しているように感じられる物語。

『春が二階から落ちてきた。』
という一行目から、私はすっかり虜になってしまった。

泉水の夢に出てくる過去の母とバットを持った春は
とても衝撃的で考えさせられるシーン。

重いものを抱えていても、春は泉水を兄として頼っていて
泉水も春を大切に思っている。
ふたりは兄弟で、父を尊敬し、母を愛している。
それが苦しいほどに伝わってくる。
父が誤魔化すことなく息子たちに向きあい
お蔭で一歩間違えばぐれてしまうかもしれなかった泉水に
深い感銘を残してくれた回想シーンも素晴らしい。

父が泉水と春を食卓に呼び、話があるというシーン。
私は父の握手を、ありがとうと言いたいのだと解釈した。そして、涙が止まらなくなった。
彼の行為自体は本当は許されることではなく、
またありがとうの一言で語りつくせる訳も無い。
男と男同士の会話として、様々な感情があの握手にこめられていたのだと思う。

ビジネスホテルのフロントの男と仙台銘菓の"オチ"はまた素晴らしく
春が「行け!」と言うところから下に降りるまでの流れも美しい。

とてつもなく深く、優しく
どうしようもない人間もいる半面
やはり人間というのは素晴らしい生き物なのだと
思わせてくれる物語。

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