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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
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2006.01.16 Mon
竜馬がゆく〈4〉
竜馬がゆく〈4〉
司馬 遼太郎

う~ん…。
どうなんだろうねえ。
いやちょっとねえ…。

坂本竜馬という人は、多分私は好きなのだと思うのです。
が、司馬さんの描く竜馬は微妙かもしれない…。
いくらだらしないと具体的に描いていても、それでも私には、
そんなに凄い人だったんですか、という疑問が湧いてきてしまう。
って、これは坂本さんが実は凄くなかったのでは、
という意味ではけして無くて、
この書き草は馴染めないな、ということです。
文章としてね。
司馬さんの書く小説って、確かに面白いなと思う部分も多いんだけど、
疑問を抱いてしまうところもあったりで。
単純に、新選組が大嫌いというところからスタートしてるから、
この中の書き草ではただの敵って感じだし、燃えよ剣にしたって、どうも可笑しい。
私個人の感覚としては、新選組のファンで、土方さんが好きで、
燃えよ剣が好き、っていうのがどうも分からない。ピンとこない。
司馬さんの新選組の描き方が、はっきり言って好きじゃないので。
司馬さんが新選組が嫌いだったっていうのが、正直に透けて見えるから。

それなりに新選組について勉強してきて、このあたりの時代のことも
なんとなく分かってきた今、読んでいて「これは史実じゃないな」ってのは
もういい加減ぴんときたりします。
ぴんとこなくても、「これは違うのでは?」とか思う。
今回もそれでそう思って、いくつかの真偽をネットで調べていて思ったんだけど、
世の中にはなんて誤解しながら本を読んでいる人が多いんだろう。
作家だからって頭が良い人ばかりではないし、間違ったことを下調べもせず
平気で書く人だっているし、
飽く迄小説なんだから創作なので、史実に拠っていても見てきていないから
台詞とかやっぱり創作なわけで、そこから派生して
事実には全くない出来事や人を登場させることもある。
っていうのが、分かってない人って意外に多いんだなあ、とびっくりした。
嘘を、調べずに怠慢で書いてしまうのは許せないけれど、
作家だって人間だし間違いを書くこともあるし、何より創作なんだから
それは読み手が面白いように、
若しくは作家の良いように、作り事を書き綴るのは当然。
だからこそ面白かったりするんだけど、読み手としては
それと史実をごっちやにしちゃいけないと思うんだよね。
もちろん史実だって、隣で見てきましたって人はもういないわけだから
調べるしかないんで、じゃあ調べられてないけどこうだったかもよ?
って思うのは自由。

なんだけど、あの小説に書いてあったから、
例えば土方はこういう人なんだよ。
っていう判断は違うと思うんだよね…。

まぁ司馬さんの書き方って、
すごくこう私見とか余談を普通に文中に差し挟んで、
視点が当時ではなくて司馬さんのいる現代から見て
書かれる文章が突然割り込んでくるから、
如何にも事実を作家が調べて書いたって感じに読めるので
全て本当だと誤解してしまう読み手が出てくるのも
わからないではないのですが…。

小説を入り口にして歴史上の人物に興味を持つのは
とても良いことだと思うけれど、
調べもせず小説のその人を好きになるのは、例えば土方であれば、
土方歳三が好きなんじゃなくて、
『燃えよ剣』の中の『土方歳三』というキャラクターが
好きなだけなんだよ。
そのキャラを勝手に押し付けて、
例えば新選組のお墓参りに行くとかっていうのは
ちょっと違うんじゃないのかなあ…。
調べていて、
「漫画のキャラの絵を書いた絵馬を納めてくるファンがどうかと思う」
という意見に当って、確かにそれはちょっとなあ、と思ったのでした。

司馬さんの本というのは、燃えよ剣に続いてこれが二冊目なんで
なんとも言えないんだけど、結構好き嫌いのはっきりした人
っていう感じがする。
作者の好きな人は恰好よく書かれるけど、
そうじゃない人は結構そうでもない
というかむしろズタポロに書かれている気がしたなあ…。

これはちっとも史実に詳しくないのでなんとも言えませんが、
岡田以蔵の書き方が今納得いってないので、
そのうち調べようと思っています。
人斬りって言われていても、それは今の世の中で言ったら
シリアルキラーかもしれないけど、
当時の感覚の中で言えば、今みたいなそんな犯罪者で異常者
では無いのではと思うのです。
そんなにもなんの信念も無くて、人を殺すことをなんとも思っていなくて、
殺しすぎて可笑しくなって滅茶苦茶やってた、ものなのでしょうか?
必ずしもなんにも考えてなくて言われるままに、
若しくは殺すことがただ楽しくて人を殺し続けてきたものなのでしょうか?
それは飽く迄今の観点じゃないのかなぁ。
冷血漢のように言われていても、
本当にそうだった人ってそんなにいないと思う。
人を殺した後で、野良犬に餌をやるような、そういう部分ってあると思うし
人間はそういうものじゃないのだろうか。

血も涙もどころか信念も根性も無い、なんていうのより、
個人的にはキャラメルの『我が名は虹』みたいに、
人を殺し続けていて、そのときは恐怖を感じなかったのに、
ふとした瞬間に自分が斬っていたのは命で、
死んだらそれで終わりだということに
気付いてしまって、急に怖くなってしまう。
っていう方がなんだか、納得がいくんだけどな。
必死で走ってるときは周りに目がいかなくて、
だから自分も死んだら終わりなんてそんなこと気付いても無い。
そう、正に嵐なのだと。
思うわけなのです。


まあ、好みの問題なんですけどね…。
このあたりはもう、飽く迄創作に対しての。
しかしこれでまた、自分的宿題が増えてしまった…。
まだ新選組も調べきってないのに…。
(調べきれるものでもないだろうけど)
いやでも、興味もっちゃったんで調べますけどね。

どうもこの、司馬さん版竜馬に今興味がいまいちもてきれないでいるので、
なかなか段々読み進めるのが辛くなってきました…。
やっと半分なんだよね。全八巻らしいので。

まあ、碩張ります。
読みきってからジャッジしましょう。
あと、調べること調べて。

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