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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.11.23 Sat
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2009.12.10 Thu
行けたら行こう程度だったんだけど
仕事で苛ついて、これは浄化が必要だ、と思い
定時で即行あがって国際フォーラムのぴあへ。
こんな時間ぎりぎりだったので「まだ買えますか?」
と訊いたら、余裕で当たり前って雰囲気で「はい」と言われた。
キャラメルのハーフプライスチケット。
購入し終わったのが17:57で、席は1階18列20番。

思ったより余裕で、ユニクロで買い物して
18:40くらいに入場したんだけど、なんと自分が最後列。
つまり思ったより空いていたわけで。
もっと混んでいるとばかり。

制服の学生さんが十人前後のグループで観に来てた。
演劇部なのかな。男の子ばかり。
若いうちからこういうの観に来られる環境って羨ましい。

上演前の注意事項のVTRは、確かになんか見ていて気恥ずかしかったw


二時間かけて語られた話の中で、幸せになった人っていなくて
寧ろ不幸せになったように見える人すらいるのに
なんだかそれでもちょっと幸せになったような
前が開けてくるような、そんなお話。
話には聞いていたけど、本当にそうだった。

他人の心の声が聞こえるようになった父親が
家族の心が離れていることに気付き
取り戻す話。
あらすじを言えばそれだけの、よくある話ではある。

笑えるシーンはトリツカレ男並みに少ないが、あったし
心の声が聞こえる、というのを、単純にSEではなく
役者が演じ、ふたりで一役という演出も興味深い。
それもまた、本来の自分の役があるのに心の声を演じ
ひとりではなく複数の心の声を演じもする。
とてもハードな演技が強いられる。

ロシアで氷点下50度を下回ると、吐く息が凍るという。
そのときの音を、『星の囁き』と呼ぶのだそうだ。
真冬の、全てが凍てつく凛冽とした空気の中で
起こる奇跡。
天使のちょっとしたいたずらなのかもしれない。


詩郎の役どころが随分と良かった。
加害者意識とはいえ、静治のことを恐れずに
あちこち付き合ってやる人の良さを
佐東さんが演じたことはぴったりだったと思う。

反対に響太は思ったより存在感がなかった。
まぁ父親に反感を抱いている息子が父親に協力するはずもなし。
それに、多田さんは秋人の心の声も演じなければならない訳で
致し方ない。

その秋人を演じる阿部さん、とても良かった。
一言も声を発することなく、手話だけで
体でぶつかるような演技は見ごたえがあった。

以前若手育成公演『橋を渡ったら泣け』
を見に行ったとき、この先が楽しみだ、と思ったのが
阿部さんと多田さんで、
そのふたりが秋人を演じているわけだから個人的にも見ごたえがあった。

静治の推理はとても強引で稚拙ですらあるが、
年頃の娘から突然
「秋人さん…」
という心の声を聞いてしまっては、心配するなという方が
無理だろう。

結局その推理は正解で、兄弟が強盗犯というのはまだしも
自首を勧めた秋人と奏を監禁したところで
あの塾を守ろうとしている兄弟が高飛びするわけでもなし
時間稼ぎの意味もない。
物語の緊迫感を煽るだけで、安直というか説得力がないのが少々がっかり。
更に、いくらショックでパニックになったからとは言え
『ALONE AGAIN』よろしく秋人が衆人環視で自殺未遂を起こす

というのも
正直言って興醒めのストーリー。
またか、と思ってしまった。
ただ、それを補って余りあるのが役者陣の演技だ。

ペリクリーズのワンマンライブのシーンで
響太が歌いだしたときには鳥肌がたった。
内心静治がどう思っていようとも、
息子たちに対する400人分の愛する声を聞いて
感じ入らない親などいまい。

その響太を演じた多田さんが、秋人の心の声を
涙ながらに叫び、
阿部さんが体当たりで無言で演じる。
飛び降りようとするシーンでは思わずはらはらした。


秋人を助けようとした静治がまた頭を打ち
天使の耳がなくなった、というのは
大団円で良いオチ。
天使の耳を持つ看護士の白神が、すれ違い際に静治を振り返り
見せた笑顔が印象的だった。

自ら残業を買って出て社長を帰してやる社員たち
帰宅した静治と、その家族たち
入院している秋人
三者三様それぞれのクリスマスに
それぞれがケーキを用意して、身近な人たちと
蝋燭に火を灯し、吹き消して祝う姿に
心温まる思いがした。
薄暗いステージに灯る温かな蝋燭の光は
とても良い演出だったと思う。

個人的には、詩郎には、
なぜ俺を恐れなかったのか、と静治に訊かれた時
「心で思っただけならいくらでもやり直しできる」
というよりはもっと、音楽に絡めた、良い台詞を言って欲しかったが…。
口に出さずとも心を分かち合える、音楽に携わって生きている人間なのだから。


誰も特別に幸せになった人はいない。
そればかりか、春樹と夏雄は捕まり
秋人はひとりになり
奏は遠ざけられてしまった。
詩郎と響太も、プロデビューかという期待が駄目になり、
静治は怪我が増えてしまったわけで。
それでも何故か心が温かく、明日に希望が持てる気がする。
天使が傍に降りていたような、そんな気持ちになるラスト。






木曜日だったので、終演後のペリクリーズのミニライブも勿論

聴いた。
寧ろこれが目当てで木曜日に言った訳だし。
劇中では一部だけだったり、マイクを切って控えめに歌っていたので
もったいない、全部聴きたいと思ったのだが
実際聴いてみて、ネタではなく本当に、CDは無理でも
MP3ででも配信して欲しいと思った。
素朴でとても良い曲。
多田さんは地元でストリートミュージシャンをしていたそうで、
成る程歌う姿も堂に入っているし、良い曲も作れる訳だ。

ショーキチさんにプロデュースして貰って
デビューしちゃえばいいのに。(笑)

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