ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2005.11.21 Mon
アースシーの風 ― ゲド戦記V
アーシュラ・K・ル=グウィン, Ursula K. Le Guin, 清水 真砂子
帰還同様の感想を持ちました。
時間が立ち過ぎていて、戻っては来ないなと。
確かにゲドにもう魔法は戻ってこなくて、それで良いのかもしれない。
それが正しいのかもしれない。
大賢人が今は見る影もなくて、しかも既に主役でもない。
それがあるがままの事実かもしれない。
ただそれはちょっと、残念だなあ。
ここまで来ると、宗教的だったり、社会の風刺だったり
いろんなものが秘められているようで、児童文学とは言えない気がしました。
レバンネンは好きだけれど、それだけに、なのか
テナーに対してちょっと苛々した部分も。
レバンネンの見方は、けして若者の対抗心ではなくて
一国の王としては正しいのではないかなと思うのですが…。
はいそうですかと政略結婚して腕輪を渡せるものではないでしよう。
竜と動物と人との違いっていうのは、興味を惹かれましたが。
動物は言葉を話せない。人は話せる。だから嘘もつける。
竜は言葉を話せる動物だが、嘘は吐かない。
そして動物は、純粋な気持ちで傍にいてくれる。
その温かさに守られる。
これはとてもよく分かる。
傍でほっこりと丸く温かく、柔らかく座ってくれているだけで、
どれだけ心が癒されるか。それは魔法使いでなくても、よく知っている。
それでもこの世の中に、それを知らない人のなんと多いことか。
なんか色々考える。だけに難しく感じる。
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