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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.11.22 Fri
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2009.02.24 Tue

今朝地下鉄を降りて、エスカレーターに乗ろうとしたら
おじさんが、乗ろうとしてたおじさんの腕を押して先に乗っていた。
押されたおじさんは素直に引き下がってそのおじさんの後ろに乗ったけど
先に乗ったおじさんはわざわざ振り返って睨んでいた。
でも、割り込みというほどのものでもなく
一人分自分が乗るのが遅れたからって一体何秒遅れるというんだろう。

これが、私の感じる"都会の孤独"。
みんな余裕がなくて、ずっと苛々している。

       ***

小さい頃は、ペットショップや動物園が大好きだった。
何も知らなかったから、動物と触れ合える場所、見られる場所。
ただそれだけの認識だった。
それが、実態を知る内に段々と可哀想で、苦痛になって…。
でもだから見なきゃいいのかと言ったらそういうものでもないから
見に行くこともたまにはあるけれど。
何も知らなかった頃のように無邪気ではいられない。

二十歳の頃。当時付き合っていた彼氏と動物園へ行った。
触れ合いコーナーがあって、うさぎや山羊やなんかがいた。
平日でそんなに人はいなくて、子供が数人いるくらいだった。

その内のひとりが、うさぎを首根っこを掴んで持ち上げているので
私はぎょっとしたんだ。


自分が幼い頃友達が野良猫に同じことをやっていて、
言い合いになったことがあった。
「痛くないし動物の親はこうやって運んでいるじゃないか」
「それは両手が使えないからで、両手がある人間がそんな持ち方をするのは可笑しいし可哀想だ」
実際にあの持ち方が痛いかどうかは、本人(猫)に訊いたことがないからわからない。
でも、自分がもしそうやって掴まれたら、痛いだろうし
痛くないにしても屈辱的だと思う。

ぬいぐるみで人形遊びをしていて、友達が名札をつけようとしただけで
叱る子だったんで。私は。
「洋服を着ている人形の服に着けるならいいけど、
動物のぬいぐるみに直接名札をつけるのは、
安全ピンを肌に直接刺しているのと同じことだ、可哀想だ」って。


話を戻す。
そんな私は、男の子がうさぎをそんな風に扱っているだけでぎょっとした。
でも更に驚いたことには、彼はそのうさぎを地面に叩き付けたのだ。

五歳くらいの子供の手の高さと力だ。
うさぎに怪我はなくて、びっくりして逃げていく。
それを追いかけては掴み、叩き付ける。

「ちょっとなにやってるの!」
思わず怒鳴った。
子供はびっくりしてこっちを見たが、すぐ無視してうさぎを掴む。
「やめなさいって。痛いじゃない」
焦っていて、主語とか目的語とか欠けた言い方しか出来なかった。
私が駆け寄って手を掴んで止めさせようとすると
怒られたことではなく私自体が気味悪いという様子で
走って逃げて行った。

悪いことをしたとはまったく思っていない子供。
そして彼が走っていた先に母親がいて、
怪訝そうな顔で私を見ていたこと。
母親は側にいたのに、息子に注意はしなかったこと。
同行していた彼氏が、私ほどには怒っていなかったこと。

全てが信じられなかった。

前も書いたかもしれないけど。
あなたの日記を見てふと思い出した。


便利で煩わしい人付き合いが無い都会の生活は
自分には合っていると思う。
好きでもある。
でも、だからと言って人と付き合わずに生きていくのがいいとは思わない。
人付き合いが今ほど希薄でない頃
自分の親は勿論、見知らぬ大人たちも子供たちを叱ってくれた。
そうして育ってきたはず。

       ***

あつをさんの日記でお勧めされていた本。
『とても良い本だけれど、気分が落ちている時には
読まない方がいいかも。(苦笑)』
とあったにも拘らず、
昨日リクエストしていた本を引き取りに図書館に行ったら
その本があったもので、つい借りてきました。
今、三分の一ほど読んだところで、どっぷりと浸かっています。(苦笑)
タイトルは、その中に出てきた言葉。
と言えば、知っている人はなんの本のことか分かるかな。

アルマジェミア。
ポルトガル語で、双子の魂という意味だそうです。
人は男女対になっていて、生まれる時に別れ別れになって生まれる。
その片割れを探すことが恋なのだそうです。

孤独な都会の片隅で壊れかけていく人たちが
美しい筆致で描かれている小説です。
リクエストしてまで読んだ本は実は大して面白くなく。(苦笑)
けどこの本は今のところとても面白いです。

日本語と、その曖昧さと複雑さで描かれるありきたりの風景の
なんと美しいことか。
真摯であることの神々しさ。
出逢うこと、関わることの奇跡と煩わしさ。
私たちの、持っているもの。

「さよなら、私のアルマジェミア!」
真夜中に誘蛾灯の様に薄暗く蛍光灯のついたコインランドリーの外で。
葉月が叫び響く声が、はっきりと聞こえた気がしたんだ。

物哀しくて綺麗。
早く続きが読みたくて仕方ないです。

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