ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2005.10.24 Mon
竜馬がゆく〈2〉
司馬 遼太郎
一巻に比べて、段々血なまぐさい感じになってきました。
面白いです。面白いけど、うーん…。
なんだか段々よく分からなくなってきた。
改革ってなんだろう?
幕府が駄目だから新政府を。
それが駄目ならまた次?
幕府の駄目なところを直すのではなくて、幕府を潰すことが
必ずしも正義だったんだろうか。それって正解?
こういうことって、運というか、その人本人の資質ももちろんなんだけど、
育った環境や入ってくる情報で大きく左右されてしまうよなと思う。
元から反徳川的な気質のある育ちと、将軍家お膝元、と自負している育ち。
もうそれだけで、幕府が頭の固い邪魔者か、敬愛すべき守るべき存在なのかが違ってくる。
どちらが正しかったかなんて、結果を見て後世の歴史家が言うことで、
私にはどちらも間違っていたとは思えない。
それだけに迷う。
自分だったら、一体どうしていたんだろう?
古い習わしに囚われる佐幕派を斬っていたのか。
突然掌を返してクーデターを試みる勤王派を斬っていたのか。
本当に分からない。
でもどちらにせよ、見極めて行動を起こす人でいたいなとは思う。
あまり海援隊とかその当たりの知識が無くて知らなかったのだけど、
沢村惣之丞さんの死に様には圧倒された。
遺恨をのこすまいと、薩摩藩からすら止められたのに切腹。
自分の命よりも世の流れを考えていた人。
「男子たるもの、呻吟して布団の上で薬鍋と組み打ちするより
この方が往生際が面白い」と言ったという。
確かに、入院して薬づけにされて死を待つよりも、ぱーっと死に花を
咲かせられるものなら咲かせたいとは私も思うけれど、
相手方の薩摩藩が切腹などいいから、と言ってきたら、
命が惜しくなってしまうんじゃないかと思う。
それなのに、凄い。
自分の命よりも、海援隊と薩摩藩、ひいては日本の行く末を念頭において
生きるなんて、そんなこと誰にでもできるものじゃないだろう。
本当にすごい。
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