ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2006.05.23 Tue
フリーペーパーで紹介されていて、ふと興味を惹かれたので図書館に予約して
やっと順番が回ってきた本。とは言え、これより前に予約したのにまだ来てないのも沢山あるんだけど。
正直言って、ちょっと書き方が臭い。
香恵の天然ボケであるとか、伊吹の恋の悩みとか、いかにも男の人が想像で書いたという感じ。
嘘っぽくてわざとらしい。
でも何故だか伊吹の子供への愛情についてはじんとくるんだよなあと思っていたら、
あとがきまで読んで理解できた。
以降ネタバレ。
始まり方から何から、ちょっとわざとらしい気がする。
公募に素人がこれを書いたら、批評家先生たちに酷評されそうだ。
初めに意味ありげにノートから始まり、自分の部屋を見上げる男。
そしてクローゼットにあるノート。
もうこれだけで、お話の骨組みが見えてしまう。
伊吹のノートであり、そのノートかもしくは伊吹の住んでいた部屋だと思って
男、つまり隆は見上げているわけで、
となればなんのひねりもなく、タカシではなくてリュウなんだろうと思っていたら
やっぱりそうなんだよね。
パーティの一言で、伊吹が伝えられなかった言葉を伝えるのはいいけど、
あまりに長く間延びしてしまうし、こんなのを暗記しているとも、ぱっと出てくるとも思えない。
可能性が高いだけで、絶対間違わず隆=石飛かどうか分からないのに、
のろけ的な台詞まで読み上げられるとすごくどうかなと思うし。
ラストのマンドリンだって、ケースだけなんていくら天然でも、CDとわけがちがうんだから
軽すぎて気付かないかなあ。
パーティぶちこわしだし。
伊吹は死んでるんだろう、とは冒頭から思っていたけど、やっぱりそうだったのでがっかりした。
しかも、病気予想だったので、事故なんて…と思った。
それでがっかりして落ち込む香恵の気持ちは分かるけど、だからって鹿島さんを殴るか?
筆者も、鹿島をどういう男として描こうとしていたのかぴんとこないなあ。
あとがきを読んで、伊吹のところだけ一部事実だということなので、いろいろ納得した。
筆者の思ったことがそのまま出ているんだけど、筆者が男で主人公が大学生の女で
しかも恋愛を女視点でからめてあるからちょっと嘘ぽくてわざとらしいんだよな。
まあ男はロマンチストで女は現実主義ですからね。こうなっても仕方無いか。
先生としての伊吹にはじんときたし、生徒の言葉にもじんときたけど、それは真実の重みだったんだな。
ただ、香恵の万年筆の話と、伊吹の日記も万年筆で書かれている、というところは
ちょっとしたサプライズだった。表紙ともつながるし。
正直万年筆はそこまで詳しくはないけれど、文房具好きの私には親しみがもてるし
知っているメーカーや品名もいくつかあったし、文房具店での接客という舞台にも馴染みがあった。
それに、私も香恵に近い万年筆との出会いを持っている。
初めて日常使える私だけの万年筆、というのを手に入れたのは、中学の入学祝だった。
片思いしていた男の子のお母さんが、モンブランの万年筆をくれたのだ。
正確に言うと、シャープペンとボールペンとのセット。
制服のポケットに入れて大事に使っていた。
家が近かったんだけど、親同士どう仲が良かったのかあまり知らない。覚えてないというか。
大抵地元の中学にあがる中で、私と彼は数少ない私立入学者だった。私が行ったのは女子高で、
彼とは別で、一度近くのスーパー(なんてムードのない)でばったり会って挨拶したきり
小学校卒業以降一度も会っていないんだけど。
それでも頂いたモンブランはちゃんと大事にしていた。
万年筆が-番好きだった。インクのむらで、一筋の線にもなんとも言い様のない味が出るのが
凄く好きだったんで、適当に書いても字が綺麗に見える、という香恵の万年筆が好きな気持ち、
かなり私と近い気がする。
実家に置いてきたままなので、新しく万年筆を買おうかな、と思わされた。
こんなにうまくいくかよ、とついつい歪んだ心で読んでしまい勝ちですが、
そしてそれがそんなに間違ってもいなくて、絶対回りの教師や親からもっとなんやかんやと
言われるに決まっているとは思うんだけど。
学校が純粋に楽しい、そう思ったのは小学校だけだった。
5,6年のクラスが最高だった。今でも夢に見たりする。それを思い出した。
給食で余ったパンを鳩にやっていて、パンももったいなくないし、鳩も喜んでるし、
何より私たちみんな喜んでいて楽しくやってたんだけど、階下の先生から
不衛生で非常識だ、と職員室でクレームがきたらしく、以降禁止となった。
鳩も突然なにもくれなくなって、びっくりしたことだろうと思う。
今の世論から照らし合わせても、鳩が増えるとか不潔とか言って階下の先生の意見が勝つんだろうけど、
私たちは鳩を可愛がっていたし、うちの小学校って動物を飼っていなかったし、
昼の後に覚えて飛んでくる鳩が可愛くて賢いと驚いたし、そんな意味での勉強にもなっていたから
すごくがっかりしたものだった。でもそのときの担任も、私たちと一緒になって
そんなみみっちいこと気にしなくたっていいのにねえと一言ぼやいてくれただけ、大分気分が楽になった。
そういうものじやないのかな。人間って。子供って大人が思うより大人だし、大人って子供が思うより子供だ。
自分の教え子が進級して受け持ちが代わったらすごく良いクラスになって悔しくて、
とりあえず文句をいうきっかけを探していてそれが鳩だったり、
え-と思いつつも正論だし職員室での立場もあるし、わかりましたと言って子供たちにもやめさせるけど
諾々とそれに従いたいわけじゃないんだ、っていう一言があるだけで、担任の気持ちも分かるし
自分たちのがっかりに大人が同意してくれるだけで気持ちって変わるものだ。
なんか、そういうことを思い出した。
登校拒否になって、クラスで話し合いとかして、家庭訪問もして、必死で熱血してても
登校拒否してる生徒本人にうざがられたりもするし、それは仕方無い。
正直実際、頑張るのが眩しくて辛くてこの君代ちゃんみたいに学校に行けなくなってしまった子には、
やる気満々で接してくれればくれるほど、眩しくて息苦しくて逆効果なんだし。
なんか全体的に辛口みたいですが、でも面白かったです。
純愛とか言って韓流ドラマ見てるより、よっぽどこういう純粋なわざとらしいくらいの
感動させるために書かれた物語の方が面白い。
やっと順番が回ってきた本。とは言え、これより前に予約したのにまだ来てないのも沢山あるんだけど。
正直言って、ちょっと書き方が臭い。
香恵の天然ボケであるとか、伊吹の恋の悩みとか、いかにも男の人が想像で書いたという感じ。
嘘っぽくてわざとらしい。
でも何故だか伊吹の子供への愛情についてはじんとくるんだよなあと思っていたら、
あとがきまで読んで理解できた。
以降ネタバレ。
始まり方から何から、ちょっとわざとらしい気がする。
公募に素人がこれを書いたら、批評家先生たちに酷評されそうだ。
初めに意味ありげにノートから始まり、自分の部屋を見上げる男。
そしてクローゼットにあるノート。
もうこれだけで、お話の骨組みが見えてしまう。
伊吹のノートであり、そのノートかもしくは伊吹の住んでいた部屋だと思って
男、つまり隆は見上げているわけで、
となればなんのひねりもなく、タカシではなくてリュウなんだろうと思っていたら
やっぱりそうなんだよね。
パーティの一言で、伊吹が伝えられなかった言葉を伝えるのはいいけど、
あまりに長く間延びしてしまうし、こんなのを暗記しているとも、ぱっと出てくるとも思えない。
可能性が高いだけで、絶対間違わず隆=石飛かどうか分からないのに、
のろけ的な台詞まで読み上げられるとすごくどうかなと思うし。
ラストのマンドリンだって、ケースだけなんていくら天然でも、CDとわけがちがうんだから
軽すぎて気付かないかなあ。
パーティぶちこわしだし。
伊吹は死んでるんだろう、とは冒頭から思っていたけど、やっぱりそうだったのでがっかりした。
しかも、病気予想だったので、事故なんて…と思った。
それでがっかりして落ち込む香恵の気持ちは分かるけど、だからって鹿島さんを殴るか?
筆者も、鹿島をどういう男として描こうとしていたのかぴんとこないなあ。
あとがきを読んで、伊吹のところだけ一部事実だということなので、いろいろ納得した。
筆者の思ったことがそのまま出ているんだけど、筆者が男で主人公が大学生の女で
しかも恋愛を女視点でからめてあるからちょっと嘘ぽくてわざとらしいんだよな。
まあ男はロマンチストで女は現実主義ですからね。こうなっても仕方無いか。
先生としての伊吹にはじんときたし、生徒の言葉にもじんときたけど、それは真実の重みだったんだな。
ただ、香恵の万年筆の話と、伊吹の日記も万年筆で書かれている、というところは
ちょっとしたサプライズだった。表紙ともつながるし。
正直万年筆はそこまで詳しくはないけれど、文房具好きの私には親しみがもてるし
知っているメーカーや品名もいくつかあったし、文房具店での接客という舞台にも馴染みがあった。
それに、私も香恵に近い万年筆との出会いを持っている。
初めて日常使える私だけの万年筆、というのを手に入れたのは、中学の入学祝だった。
片思いしていた男の子のお母さんが、モンブランの万年筆をくれたのだ。
正確に言うと、シャープペンとボールペンとのセット。
制服のポケットに入れて大事に使っていた。
家が近かったんだけど、親同士どう仲が良かったのかあまり知らない。覚えてないというか。
大抵地元の中学にあがる中で、私と彼は数少ない私立入学者だった。私が行ったのは女子高で、
彼とは別で、一度近くのスーパー(なんてムードのない)でばったり会って挨拶したきり
小学校卒業以降一度も会っていないんだけど。
それでも頂いたモンブランはちゃんと大事にしていた。
万年筆が-番好きだった。インクのむらで、一筋の線にもなんとも言い様のない味が出るのが
凄く好きだったんで、適当に書いても字が綺麗に見える、という香恵の万年筆が好きな気持ち、
かなり私と近い気がする。
実家に置いてきたままなので、新しく万年筆を買おうかな、と思わされた。
こんなにうまくいくかよ、とついつい歪んだ心で読んでしまい勝ちですが、
そしてそれがそんなに間違ってもいなくて、絶対回りの教師や親からもっとなんやかんやと
言われるに決まっているとは思うんだけど。
学校が純粋に楽しい、そう思ったのは小学校だけだった。
5,6年のクラスが最高だった。今でも夢に見たりする。それを思い出した。
給食で余ったパンを鳩にやっていて、パンももったいなくないし、鳩も喜んでるし、
何より私たちみんな喜んでいて楽しくやってたんだけど、階下の先生から
不衛生で非常識だ、と職員室でクレームがきたらしく、以降禁止となった。
鳩も突然なにもくれなくなって、びっくりしたことだろうと思う。
今の世論から照らし合わせても、鳩が増えるとか不潔とか言って階下の先生の意見が勝つんだろうけど、
私たちは鳩を可愛がっていたし、うちの小学校って動物を飼っていなかったし、
昼の後に覚えて飛んでくる鳩が可愛くて賢いと驚いたし、そんな意味での勉強にもなっていたから
すごくがっかりしたものだった。でもそのときの担任も、私たちと一緒になって
そんなみみっちいこと気にしなくたっていいのにねえと一言ぼやいてくれただけ、大分気分が楽になった。
そういうものじやないのかな。人間って。子供って大人が思うより大人だし、大人って子供が思うより子供だ。
自分の教え子が進級して受け持ちが代わったらすごく良いクラスになって悔しくて、
とりあえず文句をいうきっかけを探していてそれが鳩だったり、
え-と思いつつも正論だし職員室での立場もあるし、わかりましたと言って子供たちにもやめさせるけど
諾々とそれに従いたいわけじゃないんだ、っていう一言があるだけで、担任の気持ちも分かるし
自分たちのがっかりに大人が同意してくれるだけで気持ちって変わるものだ。
なんか、そういうことを思い出した。
登校拒否になって、クラスで話し合いとかして、家庭訪問もして、必死で熱血してても
登校拒否してる生徒本人にうざがられたりもするし、それは仕方無い。
正直実際、頑張るのが眩しくて辛くてこの君代ちゃんみたいに学校に行けなくなってしまった子には、
やる気満々で接してくれればくれるほど、眩しくて息苦しくて逆効果なんだし。
なんか全体的に辛口みたいですが、でも面白かったです。
純愛とか言って韓流ドラマ見てるより、よっぽどこういう純粋なわざとらしいくらいの
感動させるために書かれた物語の方が面白い。
PR
*Comment*