ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2009.01.22 Thu
それぞれの家族のみっつの物語。
あまりに生々しい。
生々し過ぎてくどいと感じる部分すらあるほどに。
しかし読み終わるとほっとする。
優しいことばかりが書いてあるわけではないのに。
家族はどれも、所謂世間で言う家族とは違っていて
所謂当たり前とは程遠い、けれど幸せを知っている。
世間で言えばマイノリティで、不幸と言われる存在かもしれない。
でもそれが彼らには普通で当たり前の日々であり関係。
異常にも慣れ、受け入れるのが人間なのだ。
そしてその中で、彼らのそれぞれの人生を彩っていく。
日に透けた髪に枝毛があって、
しかしそれですら愛していたのだろう
という描写はばななさんならではの愛情の描き方だと思った。
個人的には、『姉さんと僕』が気になった。
書いてあることはあまりにショッキングだ。
幸せの最中、新しい幸せを迎える為の散歩中
未来が奪われてしまい、ただひとり僕だけが希望として残され
それを見ていた姉。
飲酒運転は許せない『僕』は、気性の激しい人だろうか?
私には、彼の身の上を聞いても平気で飲酒運転する人間の方が信じられない。
登場人物たちの闇を普通のこととして理解できる自分は
やはり闇を持っている人間なのだろう。
しかしその闇は、多かれ少なかれ誰しもが持っている
人間臭さのひとつなのではないかと思う。
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