ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2010.11.25 Thu
街灯に誘われる蛾のように、誘われることがある。
たとえばバイクに乗っている時の、対向車の明かりに。
自殺願望がある訳じゃない。
どちらかというと、自殺は負けだと思っている。
それでも、時々ハンドルを、右に切ってみたくなる。
大好きなミュージシャンが雑誌のインタビューで
「時々ある」
と言っていた。
「自転車に乗っていて、これを今右に切ったら死んじゃうだろうな
とふと思って、とてつもなくやりたくなることがある」
って。
あぁ、この人もか、と思った。
別に死にたいわけじゃない。
でも、やりたくなるのだ。
きらきら闇をつっきってくる車のライトは、とても美しい誘惑に満ちている。
今突っ込んだら、死んでしまう。
それは勿体ないことだとは思う。
でも、今死んだら、私はきっと幸せで、死ぬことを勿体ないと思いながら死ねる。
それはひとつの幸せの形だと思った。
そう。私は今、幸せだ。
***
随分昔にテレビで、涙を売っているのを見た。
魔除けに使うのだったかな。
もう忘れてしまったのだけど、小瓶に詰めて売られているのだ。
それは本当に正真正銘本物の涙で、乙女たちが感動する映画を見たり
悲しいことを思い出したり、いろんなことをして涙を流して、それを漏斗みたいなもので受けて
瓶にためて納品していた。
ちょっと馬鹿馬鹿しいけど、ちょっと面白いなと思う。
商売だから、動機も泣いている理由も不純だけれど
涙はやっぱり、特別に綺麗なものだと思ってる。
*
とてもきらきらした涙を見た。
悲しかった。
嬉しかった。
綺麗だと思った。
真摯な気高い魂を見た。
畏れ多いと思った。
穢したくないと思った。
でも、触れたかった。
私は自分で思っているよりもずっとずっと自分勝手で
欲の深い人間なのかもしれない。
とても死にたかった。
それぐらいに、幸せ。
PR
*Comment*