ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2009.07.12 Sun
唐突ですけど。
幕末、賊軍扱いされて『官軍』に追い詰められた旧幕府軍は
新選組の副長、土方歳三を総督にしようとしました。
これに対して土方さんは、
「元から死を覚悟しています。ご依頼ならお受けしますが
総督になれとおっしゃるのなら
私に全将兵の生殺与奪の権を与えて下さい」
と言いました。
それを聞いていくつかの藩が反発し、土方さんが総督になることは
ありませんでした。
その後、函館の五稜郭へ向かうことになる訳ですが。
土方さんを総督にしようとした人たちの中には
彼の指揮能力を本当に買っていた人もいれば
『新選組の副長』という肩書きを担ぎ上げ利用しようとした人も
おそらくいたことでしょう。
反対した人の中には、
俺たち武士と元は百姓だったおまえとは違う、偉そうに言うな
武士を甘く見るな と思った人もいたでしょうし
土方さんにしてみれば
平和ボケして刀を売ってしまうような侍よりも
自分たちの方が命がけで国を守ってきたし
本当の侍であるという矜持もあったでしょう。
自分が指揮すればあるいは、という自信もあって
自分の能力ではなく肩書きが欲されていることもわかっていて
それでもやってみても構わない。
が、やるなら俺は本気でやるぜ?という意思表示だったのではないでしょうか。
無理難題をふっかけることで、相手の本気を見たかったのかもしれないし。
単純に、
「リーダーになって」といわれて
「生殺与奪の権をくれるならね」と言った
というと、土方さんが傲慢に聞こえるけど、果たしてそうなのか? と。
話は変わって。
サッカーの、ロナウジーニョさん。
君のチームは強いね、とマスコミに言われたときに
彼はその理由をこう答えたそうです。
「俺たちチームメイト同士はライバルであると同時に
お互いをリスペクトしているから」
すごくシンプルで、それでいて実際は難しいことだと思う。
しかしながら、理想だと思う。
いろんな人がいるから
本当にリスペクトする人もいれば
隙あらばライバルを引き摺り下ろそうとする人もいて
本来の仕事である戦うことではなく、それ以外のゴシップで
傷つけることで引き摺り下ろそうとする人までいて
自分のプライドばかり高くて他者を認められない人だとか
人には命をかけさせておいて自分は安全なところから
文句だけ言ってくる人だとか
そんな中で命懸けで信念を貫き通すことは
とても難しい。
信じられる人がいなければ、挫けることもあるだろう。
…なんてことを、一連の報道を見ていて思います。
土方さんの件と全く同じだとは言いませんけど。
そしてまた、賛成でも反対でもないけれど。
俺を利用するならこっちも利用するよ? というのも
男なら更に上を目指そうとするのも
当然そうあって欲しいと思うし
マンゴーは売れたかもしれないけど俺の会社の景気はよくならない
なんてリーダーに丸投げしている県民や
逆風を作り出しているマスコミや
政治家を甘く見るなって鼻白むばかりで、相手の評価もせず
芸能人という肩書きを利用したいだけ、
そして内心馬鹿にしている議員や
そこに本気さはあるのだろうか。
そこにリスペクトはあるのか?
尊敬も誇りも持ち得ない場所で
真剣に自分の信念を貫き通すのは難しい。
真剣勝負って命懸けのはずなのに
本気にならず勝つことだけ考える人が多い気がする。
そこに信念は見えないよな。
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