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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.11.22 Fri
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2002.06.10 Mon
GLASS HEART 熱の城 (コバルト文庫)
GLASS HEART 熱の城 (コバルト文庫)
若木 未生

ストロボライツがかなり好きだ。
注射針みたいな光とかひまわりとか、藤谷さんの言うことは
坂本くん並に分かる気がする。
藤谷さんと坂本くんは、恋でも音楽でもライバルだったり
友達だったり、複雑な関係だ。

「たすけて」と坂本くんが言うシーンは、ぞくっとする。
私にもそういう経験があるからだ。
別に生死に関わることじゃない。他人から見たら大したことが無いことでも
不安で居ても立っても居られなくて、兎に角駆けつけて傍にいてあげたくなる。

『何か言って真剣に考えるのが気持ち良い いじめる気持ちと似てる』
『あたしこのひと大事だな 傷つくことは絶対いやだ』
という気持ちが両立するところも、とてもよく分かる。
自分のことを真剣に考えて欲しい。大切だからいじめたいような
でも絶対にその人が傷つくことは嫌なんだ。
たとえどんな些細なことでも。

迎合しないまま人と協調するのはエネルギーを使う。
これもその通りだなと思う。だからこそ尚は好きだ。
私も尚に近い部分があると思う。

「大丈夫かどうか、音楽きいてわからないんですか」
という発想は、本当にポジティブだ。
でも、朱音ちゃんが尚の近くにいるから言えることのような気もする。
ただのファンのレベルだったら、どうしても音楽だけでは不安になるから。

「音楽モードの俺さえよければ」
という藤谷さんの発言は、絶対嬉しいだろう。私にも分かる気がする。
そこまで自分を必要としてもらえる。
それは、大事にしてもらえているのと同じことだ。
私生活なんてどうだっていい。だって自分だって音楽が大事なのだから。
音楽の神様にそこまで思って貰えるなら、とても幸せだと思う。

尚が結婚しても全然平気、という朱音ちゃんの感覚もよく分かるな。
解散は辛いけれど。
好きだから、好きな人が幸せになる分には構わない。

どうでもよくないけど静かな気持ち。平気なのに似ている感覚。
本当は平気ではないはずだけれど。何故かどこか冷静に、静かな気持ちで
見ていられてることって確かにある。

「考えても着火したら本能でしか動かない」
「なんですぐ突発的に意地になんの?保身の発想ないの?」
「なんでってセットでコーヒーとポテトつくのとおんなじ」
「基本性能?」
このやりとりはかなり好き。
多かれ少なかれ、朱音ちゃんに似ている女子は同じじゃないだろうか。
私もそうだ。
考えているつもりだけど、スイッチが押されたら走るしかない。
意地にもなるし。


「朱音ちゃん、あのさあ……」
この後の藤谷さんの台詞が知りたい反面、知ってしまったら
もったいないなという気もする。
勝手に想像するだけだけれど。
その続きを訊くなと言われた後で
「俺の味方なの?」
と問われるのは、ぞくっとする。この人、正解を分かってるなって。
朱音ちゃんがわかっていることすらわかった上で訊いているのが。
ずるいかもしれない。

「そういうこと最初に俺に言わないんだ?なんで?」
みたいに、坂本くんみたいな男の人がぽろっと素で地でいってくれる台詞も
ぐっとくる。
こんなこと言われたら、嬉しくて泣いてしまうだろう。


『身体が電池になってる』
ほど、原動力に溢れているときは、やっぱりある。
「幸せにしたい人ばっかり」
泣くこともあるけれど、天国。
とても厳しい場所で、ただ笑っていられる場所じゃないけれど。
周りの人がみんなすごくて、自分じゃ追いつかなくて必死で
毎日泣くけど。
それでも、そこは天国だ。
必死でいられるから。
そしてそんな人たちに囲まれていたら、幸せにしてもらいたい、よりも
自分が幸せにしてあげたい、と、私も思うだろう。


あとがきの、
生だから一瞬ごとが奇跡
一秒先がわからないから、真摯に明日を祈るし、得られた今日を愛せる
真摯な祈りは、永遠を信じる強さに似ている
という言葉も好きだ。
小説は文字として残るけれど、筆者が書いたそのときその文字はやはり生だし
読んだときの気持ちもやはり生だと思う。
だからすべてが、奇跡なのだと思う。

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