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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.11.21 Thu
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2009.06.10 Wed


酷い小説だ。
いや、誉め言葉だが。
酷い話で、後味も悪い。しかしスピード感があり、読ませる力がある。どこかに残る小気味良い後味。
一体どう終わらせるつもりなのだろうという期待感。
裏切られ、拍子抜けしつつもやられた、という感じ。

伊坂作品も4冊目ともなれば、大分世界観の見えてきて
登場人物の会話のセンスの良さなどは
相変わらずだ。
だがしかし、これを1冊目に読んでいたとしたら
ここまで伊坂氏のファンにはならなかったかもしれない。

ネットでレビューを見てみたが
やはり昔からのファンの方々でも賛否両論のようだ。
私が過去に読んだ伊坂作品では、
世間一般の常識に照らし合わせると『悪い人』なのだが
どこか憎めなかったり、真摯に罪に向かい合っていたり
といったキャラクターで、知らず感情移入してしまった。
が、この作品の登場人物は『悪人』で感情移入出来ないし
一番一般人とも言える鈴木にしても
そこまでの魅力を感じることが出来ない。
惜しいような気もするが
これはこういう作品であり、これで良いのだろうという気もする。

 



作品中で、バッタの話が出てきたときは総毛立った。
バッタは密集して暮らしていけば、黒くなり、慌しくなり、凶暴になる。
人も同じ。
「だからか。」と、腑に落ちた気がした。
だから世の中は、可笑しくなって行っているのか、と。

しかし人は、危機感を覚えても
本当に起こるとは思えない。
それが実際に起こるまでは。

その通りなのだと思う。
悲しい事に。

 

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