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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.12.04 Wed
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2008.03.01 Sat
微にいり細にいり、非常によく出来た映画だと思う。
加瀬くんの素朴な演技も非常にリアルだ。
冒頭で歯磨きをしながらふと泣き出してしまうシーンなど、
まったく説明のない短いシーンではあるけれど
彼の内心が窺える素晴らしいシーンだったと思う。

冤罪事件というのは、実はよくあることで、痴漢事件以外にも
こうしたことで苦しんでいる人というのはたくさんいる。
数ある中でのひとつの例に過ぎない。
裁判官や検察、弁護士にとっては数ある中のたったひとつ。
しかし被告にとっては一生に一度あるかないかの、
人生を左右される重大事件なのだ。
その感覚が麻痺し、出世欲などに浮かされて真摯な態度を失う裁判官
というものは確かに悲しいかな存在する。
判決文ひとつとっても、時間をかけて書く人もいれば、
今までの似たような判例からひろってきてコピペですませる人もいる。
忘れがちではあるが、医者にしろ警察にしろ裁判官にしろ、同じ人間。過ちも犯せば
手を抜きたくなることもある。

誰も自分の話を聞いてくれない。
頭から嘘だと疑って信じてくれない。
拘束されて、日々罵倒され、疑われ、時には暴力を振るわれ
そんな環境の中で日々過ごして、どれだけ疲れることか。
どれだけ全てに絶望することか。経験したことの無い人にはわからないだろう。
自分がやっていないにしても、そんな絶望を味わい、
リスクを背負って裁判に挑むよりも、無い罪を認めて罰金を支払った方が安い。
実際その道を選ぶ人もいるだろうし、それはそれで当然の選択だと思う。
実際自分がこんな目にあったなら。
自分は血の気が多い方なので、絶対に濡れ衣を認めたくはないけれど、
そのために無駄に費やされる時間や名誉、金、その他もろもろを考えると
決意は揺らぐ。


以降ネタバレ。

荒川先生の言っていた、
「頭の良い人間ほど相手の言葉を嘘だと疑い、騙されることを恥だと考える」
という言葉は非常によく理解できる。
頭が良いわけではないが、私自身恥と考え
相手の言葉を心底から信じられないことというのは儘あるからだ。

ラストの加瀬くんのモノローグは非常に恰好よかった。
自分は自分が無実だということを知っている。裁判官は間違いを犯した。
そうして気を強く持って、控訴して無実を勝ちとって欲しいものだと思う。
存在感は然程強くなかったものの、山本くん演じる友達もかなりいい味を出していた。
フリーター仲間らしく、どこかふらふらしていて頼りないものの
直情的で裁判官に怒鳴って出て行ってしまう熱さも持っている。
きっと彼がこの先も支えてくれるのではないかと期待する。

陪審員制度に向け、訴えかけるものの多いリアルな映画だったと思う。

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