ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2008.11.10 Mon
女としての生生しさを個人的には感じた作品。
ばななさんの私小説とも思えるような内容で、素直で淡々とした文面から
日常とその中にある非日常が伝わってくる。
男と女の違いというものを、否応なしに考えた。
やはりまったく変な意味でなく、役割が違う生き物なのだと改めて思った。
人間と言っても動物なのだから、本能というものはある。
雄は戦い、雌は守る。
そういう役割分担がきちんと出来ているのだ。
現代は女が戦いながら守ることもしなければいけなくて
というような記述にははっとした。
また性別の違いを抜きにしても、本能について考えさせられた。
『現代化』でセンサーが鈍ってきていて
霊感や直感、第六感だとか虫の知らせだとか呼ばれるけれど
やはり人には本能が備わっていて
その本能の『声』は雑多なことに掻き消されることが多い世の中だが
感覚を研ぎ澄ませていれば聞き届けることが出来るし
お腹の中に自分以外の命が宿っていれば尚更
守らなくてはという本能が働くものだろう。
また、南の国や田舎に療養に行ったり、寺へ行ったりすれば
静かな環境で本能に寄り添いやすくなり
歪んでいたことも修復されていくのではないかと思う。
オカルト的なことでなくとも、日常にちょっとした不思議は溢れていて
なんとなく嫌だな、とかなんとなくこうかな、と思ったことが
実は的を射ているということは結構あるものだ。
日常を本能に従い、良いものを選び取って間違えずに生きていくことは
誰の邪魔がなくとも実は難しい。
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