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ふと思いついては消えていく戯れ言の中にも大事なことや本気なことはあるよな、と思い極力書き留めよう、という、日々いろんなことに対する思いを綴っています。
2024.11.22 Fri
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2005.09.30 Fri
こんにちわ!赤ちゃん―yoshimotobanana.com〈4〉
こんにちわ!赤ちゃん―yoshimotobanana.com〈4〉
よしもと ばなな

一時期、ものすごくはまっていた吉本ばななさん。(当時)
でも段々と、ちょっと今の自分の欲しいものとは違うな、となってきて、しばらく離れていた。
けれど機会があって久しぶりに手に取った。
やっぱり私は、よしもとばななさんの文章というか感性が好きなんだなと思った。
あまり好きになれなかった小説も、あのときの私の心境で受け入れられなかっただけで
今読んだら面白いのかも。読み返してみようとも思った。


別に妊娠して悩んで手に取ったわけでもないんだけど、一応女なので
出産についてはやっぱり考える。
今は産めない。産む目処もたっていない。正直、子どもが欲しいとも思わない。
育てる自信がない。
虐待された子どもは、自分が親になると我が子を虐待するという。
そういう嫌な連鎖を起こすことが怖いという意味でも、自信がない。
どうしても産まなきゃいけないものでもないと思うし。
悪いけれど、旦那が本家の長男でも関係ない。
でも、たまに急に、子どもが欲しいと思うこともある。


なんていうか、子どものことだけじゃなく、今抱えているものが、
読んでいることで浄化されていくような気がした。
別に答えが書いてあるわけじゃないんだけど。
気持ちの問題。


育っていく過程でどうしようもなく傷ついた経験があると、
毎日を生きるだけで相当頑張っている状態。
なので他の人が甘く見えて信頼できないので、
持ちつ持たれつができずぐちっぽくなる。
自己憐憫の気持
ちもあるので思わぬところが甘えん坊にできていたりする。
逆境を生き抜いてきたエネルギーが過剰にあるので、
なんでも過剰にやらないと安心できず頑張りすぎる。

この記述を読んではっとした。
なんだか、自分のことを言い当てられたような気がした。
なんか頑張らなきゃいけなくて、
頑張れてない気がしていつも不安で自信がなくて
その癖自信過剰だったりもして、人を見る目が厳しかったりする。
本当は甘えたくて寂しくて、ほんのちょっとのマイナスの思念にも
耐えられない。
だから裏切られるのが怖くて、人付き合いを避ける。
やっぱり理由がなんであれ、程度がどうであれ、
外部の要因で傷つきながら育ってきた人って
そういう部分を持っているんだろうか。


マイケルに対しての記述で、
一番幸いのは本人。でも本人が救われたくないようなので誰も救えない。
彼に本当のことを言うひとは縁を切られる。

という文があって、これにも「ああ…」と思った。
マイケルに対しての考えは私はばななさんとは違うようなんだけど。
こういう縮図について。
本人は自分が一番辛くて、そんな自分を見る周りも幸いということは
考えが至らない。
可哀想とだけ言われたくて、でも頑張ろうよとか言われると怒る。
そういう縮図、私の身近にもやっぱりある。
こういうひとは、縁を切ったならほっておけばいいのに、いつまでも向こうから
思い出したように文句を言って人を傷っけて、自分の悲しみを撒き散らす。
縁を切ったのは自分が相手に指摘されて崩れそうなプライドを守るため。
相手が間違っているのであって、自分が間違っているのではないと
思い込むため。
文句を言ってくるのは、本当は寂しくて受け入れて欲しいから。
だけど自分が変わるつもりはない。自分は「間違っていない」から。
悲しい人だとは思う。可哀想だとは思う。でも、助けることはできない。
本人が救われたくないのだから。

店長さんについての記述は、電車で読んでいたのに
思わず泣きそうになった。
「新しく生まれてくる生命のために老人は至極自然に
席をゆずる気持ちになれる」
すごい言葉だな、と思った。

お友達との付き合い方が、とても羨ましかった。
気軽に会ったり、持ちつ持たれつ。
私の苦手な、でもだからこそ憧れる分野だ。
手作りの美味しい料理を気軽に持って訪ねる。
そんな関係を、これからどんどん作っていけたらいいな。

会う度話し足りない気になると同時に、特に喋られなくてもいい感じ。
こういう感覚って、とっても分かるから。

ばななさんが読んでいるという本はどれも読んだことがなくて、
作者やタイトルは知っているけど、レベルのものだったのに、
突然、「ハチクロを全巻買った」
という記述が出てきて物凄く驚いた。(笑)
ばななさんと羽海野さんって、あんまり近いところにいない感じなのに。
作り手という血が呼び合うのかな。面白い。

医者に対しての記述は、ものすごく共感。
医療って本当は自然に持っている自己治癒能力をサポートするためのものだよね。
金をとって検査して薬を出す流れ作業ではないはずだと思う。

なんか、たまたま図書館で見つけて手にとれて良かったな。
今の私には必要なものだった。

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